「データの置き忘れやメール誤送信といった“うっかりミス”でも懲戒処分」――労務行政研究所が実施した「企業の情報管理に関するアンケート」結果で従業員のインターネットの閲覧や電子メールの利用管理、情報管理上の問題行為への企業の対応状況がわかった。

 職場で問題となりそうな12のケースを挙げ、それぞれについて処分の対象とするのかどうか、さらに処分する場合の内容を聞いたところ、いずれのケースも「処分の対象とする」が7割以上となっている。

 「許可を得て社内機密データを社外に持ち出し、うっかり電車内に置き忘れた」「携帯電話を紛失し、社内機密データを漏洩させた」「電子メールの誤送信により、社内機密データを漏洩させた」といった“うっかりミス”に対しても8割以上の企業が処分の対象としている。

 処分の対象とする企業が最も少なかった「許可を得て会社のパソコンを自宅に持ち帰ったところ、家族が勝手にダウンロードしたファイル共有ソフトを介して機密データが流出した」でも7割を超えた。

 処分の内容は、ほとんどのケースで「譴責(始末書提出)」が最も多く、注意処分〜減給といった比較的軽い処分内容となっているが、悪意のあるケースについては「懲戒解雇」とする企業の割合が多くなり、「社内機密データを勝手に持ち出し、インターネット上で公開した」は48.2%、「上司のパスワードを使って、アクセス権のない社内機密データに不正にアクセスし、コピーした」は28.6%が「懲戒解雇」となっている。

 8割程度の企業が「社内規則や規定」「マニュアル、マナー集」で私的利用についてのルールを定めている。システム管理責任者などが社員の利用状況を監視している企業の割合は、インターネット56.8%、メール40.7%となっている。

 同調査は199社の人事労務担当者から回答を得た。

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