9日に発生したトラブルにより、打ち上げが延期されていた韓国の人口衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号(KSLV−1)」が、10日17時1分、同国南部・全羅南道の羅老宇宙センターから打ち上げられた。韓国教育科学技術省によると、離陸137秒後に通信が途絶えてロケットが爆発し、再打ち上げは失敗に終わった。韓国メディアが伝えた。

 爆発は一段ロケットでの飛行中に起きたものと見られている。韓国航空宇宙研究院のイ・ジュジン院長は打ち上げ後に記者会見し、ロケットの打ち上げ失敗は、9日に発生した消火装置のトラブルとは関係がないと話した。また、打ち上げ後137秒までは軌道は正常であったとし、1段ロケット部分はロシアが製作したものだと述べた。

 韓国メディアによると、羅老宇宙センター周辺には打ち上げを一目見ようと多くの観光客が詰め掛け、打ち上げられた際には歓声が上がったが、「羅老号との通信が断絶した」とのニュースが流れると大きなため息が漏(も)れたという。

 一方、韓国とロシアが共同開発した「羅老号」は2段式の構造で、1段目はロシア、2段目は韓国が製造した。今回の爆発が1段ロケット部分によるものだと明らかになった場合、契約に基づきロシア側が新たに1段目を提供する。(編集担当:新川悠)



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