リーグ・アンのマルセイユが、バレンシアからFWフェルナンド・モリエンテス(33)を、ロリアンからMFファブリス・アブリエル(30)を獲得した。クラブが公式サイトで明らかにした。

 モリエンテスは、1997年から2005年1月までレアル・マドリーに在籍(03-04年はモナコにレンタル)し、リーガで72得点(182試合)をあげた経歴の持ち主。リバプールからバレンシアに移籍して3年目の昨シーズンは19試合1得点(UEFA杯7試合3得点)と控えに回されていた。

 一方のアブリエルはロリアンで3シーズン、中盤の要として活躍した。異なるポジションを器用にこなす万能型の選手と評価される。

 マルセイユのディディエ・デシャン監督は27日、記者会見で今回の補強について、「フェルナンドは肉体的にまだフレッシュ。高いレベルでプレーする意欲がある」、「アブリエルは、フィジカルよりもテクニックとパスのクオリティーで中盤に何かをもたらしてくれるだろう」と説明した。

 とくにすでにピークを過ぎたと指摘されるモリエンテスの獲得については、「フランスでは30歳を過ぎた選手の能力を疑う傾向があるが、彼はまだ元気」とし、インザーギ(ACミラン、35歳)やデルピエロ(ユベントス、34歳)の例を挙げて、ベテランの存在価値をアピールした。

 もちろん、「40試合、90分間プレーしてもらおうと考えているわけじゃない」とあらかじめことわっている。バレンシアとの契約切れにともない移籍金なしで経験豊富なストライカーを獲れたことは大きいが、「それが決め手ではない」と強調しており、有効な起用法が頭にあるようだ。

 モナコ時代に監督・選手として戦ったチャンピオンズリーグ(CL)で、モリエンテスは12試合で9ゴールをあげ大会得点王に輝き、チームの準優勝に大きく貢献した。今オフの一連の補強がCLの戦い方も大きく考慮に入れたものであることは明らかだ。

 リーグ・アンの中でもっとも精力的に補強してきたマルセイユだが、シーズン開幕まで2週間を切った現在も、デシャン監督は「まだこれから来る選手はいる」と話す。狙いはセンターバックだろう。ここを除けば層の厚さはリーグでも際立っており、ベテラン、中堅、若手とバランスよく戦力が揃った。ポジション争いと監督の起用法が注目される。