フランスのリーグ・アン第29節は21日に7試合、22日に3試合を予定している。8連覇をねらう王者リヨンはここへ来て2敗1引き分けと失速、2位のマルセイユ、3位のパリ・サンジェルマン(PSG)に1ポイント差まで詰め寄られている。上位7チームが6ポイント差でひしめく大混戦となった終盤10試合を迎え、レキップ紙が優勝の行方を予想した。

 ここ4シーズン、リヨンは第28節を終えて2位に少なくとも6ポイント差をつける楽な展開で終盤の10試合に入った。今シーズンは、主力の相次ぐケガでそこまでの優位を築けていない。戦力の低下は、毎年のように主力を国外のビッグクラブに引き抜かれ、そのたびに補強してきた若手の有望株がまだ十分に育っていないというのが主因だ。

 ペラン監督(現サンテティエンヌ)からバトンを受けたピュエル監督の下、チームは予想通りディフェンシブに変わっている。得点は第28節終了時点で昨季の55点から今季は36点と大幅に減っている。フレッジが移籍、ゴブが故障で離脱、ケイタやピキオンヌが期待外れという現状で、ベンゼマひとりに頼らざるを得ないが、そのベンゼマも昨季の爆発力に欠け、1 年前より5ゴール少ない。

 過去4年間は残り10試合で平均22.5ポイントをあげてきた。戦列に復帰したクレールやボドメールがいかに活躍できるかがカギ。ピュエル監督はリールで自ら育てたボドメールを守備的MFとして起用し、トゥラランとのコンビで突破口を開きたいようだ。レキップ紙はリヨン優勝の確率を30%と見ている。

 同紙が2番手にあげるのはマルセイユ。UEFA杯でオランダのアヤックスを退けてベスト8入りを果たし、勢いに乗っている。今シーズンつねに5位以内をキープしてきたが、調子に波があり3試合以上つづけて勝つことがなかなかできない。ベン・アルファの加入は期待通りの効果をあげられなかったが、ゲレツ監督はそれに代わる解決策を見出した。ここ最近、ベテランのDFロドリゲス、MFゼンデンの働きが頼もしい。1月に獲得したブラジル人FW、ブランダンの活躍がカギを握る。レキップ紙予想の優勝確率は20%。

 2シーズンつづけて降格の危機にあえいだPSGが優勝争いに残っているのは今季最大のサプライズ。UEFA杯でも8強に名乗りを上げた。マケレレ、ジュリといった大物の補強はチームの精神面に多大な収穫となったが、戦力としては司令塔セセニョン、点取り屋オアロの加入が大きい。若手とベテランの共存がもっとも成功しているチームだ。レキップ紙が予想する優勝の確率は17%。

 昨シーズンは最後までリヨンを追いつめたボルドーだが、今季は安定度を欠き4位に転落。とくに2月は1勝もできない不振に陥った。ここへ来てチームの状態はようやく上向いてはきたが、チーム得点王カベナギの離脱が痛い。一時疲れの見えたグルキュフがどこまで輝きを取り戻せるかにかかる。優勝の確率は17%。

 レキップ紙は以下3チームについて、トゥールーズとリールが6%、レンヌが4%と優勝のチャンスに乏しいという見方をしているが、カップ戦を含めた過去15試合で10勝1敗4引き分けと絶好調のトゥールーズはダークホース的存在。チームの一体感は出色で、フランス代表に選ばれたGKカラソ、FWジニャックの活躍が光る。

 第29節最大の目玉となるのはそのトゥールーズが3位PSGを迎える一戦。新旧のフランス代表キーパー、ランドロー(PSG)とカラソの対決、オアロ(15ゴール)とジニャック(17ゴール)の得点王争いが見どころだ。