リーグ・アン7連覇中のリヨンにここ数年間味わったことのないピンチが訪れている。15日に行なわれた第28節で10位のオーセールを相手に0―2で敗れ、ほぼ1ヶ月にわたり勝利から見放された状態がつづいている。

 リヨンは2月21日の第25節に勝って以降、チャンピオンズリーグ(CL)バルセロナ戦の2試合、フランス杯を含めた6試合で4敗2引き分け。6得点に対し14失点と内容も悪い。フランス杯につづき、CLでも敗退が決まった4日後のオーセール戦は、最後に残ったリーグ8連覇という目標に向けての仕切り直しの意味合いが強かっただけに、今季初のホームでの黒星という結果はあまりにも痛い。

 不幸中の幸いというべきか、同日に開催されたパリ・サンジェルマン(PSG)対マルセイユ戦で2位のPSGが敗れ(1―3)、首位陥落は何とか免れた。しかしこの結果、マルセイユにも1ポイント差で迫られ、上位6チームが4ポイント差でひしめくという混戦模様を生んでいる。

 リヨンが常勝集団としての勢いを失った原因は何か。MFのトゥラランは試合後レキップ紙に「体力面、技術面で調子を落としているのはたしか」と連戦による疲れを示唆したが、精神面では「バルサ戦の敗戦を引きずっていることはない」という。チーム内に一体感が欠けているという見方についても、DFブームソンは「これでチームがバラバラになるのだとしたら、プロとして失格。難しい時期に来ているという自覚はあるが、冷静に仕事をして、再び勝利の道を見出すほかない」と気を引き締めている。

 ピュエル監督は次のソショー戦(22日、第29節)までに、「一歩下がって頭を冷やし、体力を取り戻さなければならない」と再スタートの必要性を説いている。残り10試合の中には、2位マルセイユ、3位PSG、4位ボルドーとの対戦も含まれる。王者リヨンにとっては苦しい戦いがつづくが、終盤のサスペンスを期待するファンにとっては、ここ数年なかった見応えのある展開となる。