対ベティス戦でPKと同点ゴールを挙げたバルサエースのエトー。その同点ゴールは、ベティスディフェンダーを3人引きずりながらも強引に右足を振りぬいた素晴らしいゴールだったが、エトーがゴール後真っ先に向かったのはグアルディオラ監督の所だった。

 ゴールを決めたエトーは、反射的にグアルディオラ監督の方を指差し叫んでいた。実はこのゴールには一つの物語があった。2−1とベティスにリードされグアルディオラ監督は、後半堪らずメッシとアンリを同時に投入。なんとか同点ゴールを奪いたいがためフレッシュなメッシを中央、エトーをサイドに開かせようとした。しかし、エトーはこの指示に対し中央でプレーしたいという意思を示したのだ。「メッシがサイドに居れば相手DFの注意がメッシに行き、真ん中があく」そう試合後に話したエトー。グアルディオラ監督もエトーを信じエトーを中央で継続した。同点ゴールはその直後にうまれたのだ。

 ゴール後エトーが、「言った通りだ」と繰り返しながらグアルディオラ監督に向かった理由はそこから来ていたのだ。グアルディオラ監督は喜ぶエトーに対し、「OK!3点目を取りに行け」と指示。結局、逆転ゴールこそ奪えなかったが貴重な勝ち点1をバルサは手中にした。グアルディオラ監督は試合後、「幸いグランドには選手がいる。選手の直観も時には信じなくちゃいけない」と語った。ベティス対バルサ戦の激しい戦いの裏にはこうした物語も含まれていた。

(スペイン通信)