マルセイユで行なわれるフランス対アルゼンチン戦の前日となる10日、レキップ紙に“初対決”を控えるバルセロナのティエリ・アンリとリオネル・メッシのクロス・インタビューが掲載された。

 2年前におよそ20年ぶりで実現した両国代表の対戦では、アンリは出場したものの、メッシはケガのため選ばれなかった。アンリが「相手がどこであれ、代表チームでプレーすることは特別」と語ると、メッシは「アルゼンチンでは、“親善”試合なんて存在しない。ピッチに入ったときの選択は3つ。1は勝つこと、2に勝つこと、3も勝つことだ」と意気込みを見せている。

 この試合はフランスにとって、“アルゼンチン代表・メッシ”だけでなく、“監督・マラドーナ”を初めて生で見る機会となる。「マラドーナは、僕にとって、何かとてつもないことをするのを初めて見た選手。僕はペレを見て育った世代じゃない。ビデオで見ただけだ。でもはじめてマラドーナを見たとき、(フーッとため息をつき)声を失ったね」と話すアンリ。一方のメッシは「どんなアルゼンチン人にとってもマラドーナというのは特別な名前。サッカー界にとっては、彼の上もなければ、並ぶものもいない存在だ」と母国の英雄を“聖別”している。

 チームメイトであるお互いについては、アンリが「彼がピッチですることは並外れている。見たこともないよ。たとえば彼の短いドリブル、夢を見させてくれる」と絶賛すると、メッシも「偉大な先輩。足の速さ、ドリブル、そしてフィニッシュ、すべてが流れるようだ」と応じた。遠くはなれた土地で生まれ育ち、10歳も歳が離れ、プレースタイルも人間性もまったく異なる2人の間にたしかな尊敬が感じられる。