中国・四川大地震の被災地へ日本の国際緊急援助隊が入った5月16日。
北京市の日本大使館に中国人男性から「援助隊の派遣に大変感激した」と涙ながらの電話があった。

中国四川省で起きた大規模地震の被災者救援のため日本政府が派遣した国際緊急援助隊は5月15日に成田を発った。今回震災で中国側が外国の人的支援を受け入れたのはこれが初めてとなる。

5月16日午後、援助隊は被害が大きかった青川県での救助活動を始めた。余震が続き、建物が崩れ落ちる危険な状況の中での活動だ。
小泉崇団長は現場を見て、「かなりひどい地震だったと痛感した。もう少し早く来られれば良かった」と厳しい救出活動になると語っている。

そんな、国際緊急援助隊の派遣に感激したとの電話が入ったという。

5月17日「西日本新聞朝刊」の内容によると

・・・・・

5月16日に北京市の日本大使館に中国人男性から「援助隊の派遣に大変感激した。日本に嫌悪感があったが、感謝と尊敬の念に変わった」と涙ながらの電話があった。
彼は「小さいときから日本軍の蛮行をよく聞き、日本が大嫌いだった」という湖南省の30代の男性であるという。
日本の救援隊をニュースで見て「隊員の『一切の労苦をいとわない』という言葉に大声で泣いてしまった」と話していた。
「この気持ちを多くの日本人に伝えてほしい」と語り「謝謝(ありがとう)」と、何度も繰り返し電話を切ったという。

・・・・・

日本国内では同16日に中国の崔天凱駐日大使が都内ホテルでの講演で、日本政府の国際緊急援助隊派遣に関して「日本国民の中国国民に対する友好的な感情や支援に感動している」「心から感謝する」と述べている。
さらに大使は今回の震災被害に「日本の防災技術は中国が学び、参考になることだ」と話し、
「天皇陛下や福田康夫首相は地震直後に中国政府に見舞いを送り、日本各地で自発的な募金活動が行われている」として日本側の対応を称賛している。

中国と日本の歴史的な問題もあるが、今回のように助け合うことで少しずつ両者の関係が修復されていくのではないか。

(編集部:TAKESHI)