フランス2部リーグの第37節が12日に行われ、3位のグルノーブルがシャトールーと引き分け(0―0)、シーズン最終戦を待たずしてホームで来季のリーグ・アン昇格を決めた。昇格の最後の1枠を争ったトロワはスダンに0―1で敗れた。

 グルノーブルは、日本企業のインデックス社(本社、東京都世田谷区)が2004年に買収したクラブ。会長は同社専務の渡辺和俊氏が務め、元ジェフユナイテッド市原・千葉の祖母井秀隆氏がGMとして采配をふるう。大黒将志(現トリノ)や梅崎司(現浦和レッズ)がかつて在籍し、中京大附属中京高校出身の伊藤翔が現在も所属する。

 レキップ紙は、45年ぶりの1部返り咲きという快挙を報じる記事で、「渡辺和俊は言行一致の男である。2004年11月にグルノーブル会長に就任するや、2つの目標を掲げた。ひとつは、5年後のリーグ・アン昇格、もうひとつは8年後のチャンオピオンズ・リーグ出場である。就任4年後にして、ひとつめの公約は実現させた」と功績を称えている。

 現場では、プリカン現メッス監督に代わって、今シーズンから就任したバズダレビッチ監督が辣腕を発揮し、リーグ最少の28失点という守備の堅いチームをつくりあげた。第27節でナントに敗れた時点では3位に12ポイント差をつけられたが、その後は6勝4引き分けと大事な終盤を無敗で乗り切り、ついにリーグ・アン昇格を勝ちとった。

 なお伊藤翔はこの日ベンチ入りはしなかったが、試合後チームメイトとともにピッチに登場し、場内を一周してサポーターと昇格の喜びを共有した。