サッカーは数字でくくれないが、歴史はそうだといえる。5月8日、110年前のこの日、ジェノアは最初のスクデットを獲得した。最初のセリエAチャンピオンとして“グリフォーネ(=シンボルである半獅子半鷲の幻獣、ジェノアの愛称)”がその名を刻んだのだ。

 トリノのヴェロドローモ・ウンベルト1世スタジアムで、インターナショナル・トリノと対戦したジェノアは、延長戦の末2対1でこれを破った。1893年に創設されたジェノアは今日、公式サイトを通じて偉業への特別な称賛を捧げると同時に、当時のフォーメーションをあらためて知らしめた。

 当時の布陣は、クラシックというよりアンティークと評した方がいい“2−3−5”だった。2人しかいないDFの一人スペンリーはGKもできた。それにしても5人ものFWが先発で並ぶ光景は、現在の視点で考えると何とも不思議だ。110年という時間の流れを考えさせられてしまう。