ポーツマスのハリー・レドナップ監督は、プレミアリーグが退屈なリーグになる危険性があると語ったニューカッスルのケビン・キーガン監督のコメントに同意した。さらに、莫大な資金がない限り、プレミアリーグを牛耳る4強の牙城を崩せないとも語っている。

 キーガン監督は昨日、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル、リバプールの4チームのみが優勝争いを繰り広げるプレミアリーグを「トップレベルだが、世界一退屈なリーグ」と語り、4強以外のチームは5位を目指して戦うしかないと語った。この発言に同調したのがポーツマスのレドナップ監督。ウェストハムやサウサンプトンでも指揮を執ったこのベテラン監督は、継続的に4強と太刀打ちするには、莫大な資金が必要だと語っている。

「4強の壁を崩すには、1億5000万ポンド(約310億円)程度の補強資金が必要だろう。昨夏のリバプールを思い出してみるといい。彼らはフェルナンド・トーレスの獲得に、2800万ポンド(約58億円)もの資金を費やした。そんな大金を払えるクラブは他にない。ケビン・キーガンの言いたいことは良く分かるよ。4強に割って入れるクラブはこのリーグに存在しないと言ってもいいだろう。トッテナムは可能性を見せたが、今シーズンは中位に沈んでいる。資金を費やしたところで上位進出が保証されているわけでもない。ハードルは毎年上がり続けている」

 さらにレドナップは、4強が支配する現状を打開するには、外国資本に頼るしかないとコメント。しかし、外国人投資家のクラブ買収には、「負けを認めないオーナー」が数多く出現する危険性が孕んでいるとも言う。

「プレミアリーグには今後も外国からの資本が入ってくるだろう。このリーグは成功を収めていて、誰もが関わりたがっているからね。もし今シーズンのダービーに2億ポンド(約415億円)の資金が投入されていれば、彼らも上位に進出していたはず。そんなこともあり得るのが今のプレミアリーグだ。これからは、アメリカ人やロシア人の大富豪が続々とクラブを買収していくだろう。しかし、タイトルを勝ち取れるのは1チームだけ。それでも、大富豪という人種は負けを認めない人が多い。それが問題になっていくだろう」

 レドナップ率いるポーツマスも、ロシア系フランス人のオーナー、アレクサンドレ・ガイダマックの潤沢な資金を後ろ盾に毎年のように補強を続け、トップ10以上を狙えるクラブへと成長した。しかし、現在8位につけるクラブが首位マンUに27ポイント、そして4位リバプールに16ポイントの勝点差をつけられている現状に、壁の大きさを実感しているようだ。キーガン監督に続き、リーグタイトル獲得への絶望感を吐露したレドナップ監督の発言は、4強以外のクラブを率いる監督の本音を代弁しているようだ。