サラゴサのDFファビアン・アジャラが瀕死のチームを救った。目下5連勝中と絶好調デポルティーボをホームに迎えた第35節は2部降格の危機にさらされているサラゴサにとって絶対落とすことのできない試合。ファンの後押しを受け攻撃をしかけ続けたサラゴサだが、約20回のチャンスを作りながらも1点が遠く94分まで0-0のまま。しかし、それはその直後に起こった。最後の1プレー、FKのチャンスから最後はアジャラが押し込み、この試合唯一のゴールが生まれた。サラゴサ対デポル戦はロスタイムのアジャラのゴールでドラマチックな幕切れとなった。

 昨夏バルセロナに移籍したガビ・ミリートに代わり、ディフェンスラインの要を務めるアジャラだが、彼のパフォーマンスは期待されていたものとはほど遠く、ファンの間でも懐疑的な見方を持たれていたのも事実だ。しかし、アジャラのサラゴサでの初ゴールとなった94分のゴールはそれをも忘れさせるものとなった。

 絶対に勝たなければならないというハイテンションムードの中、ゴールを奪えないことへの焦り、そしてロスタイムでのチームを救ったゴール。苦しんだ末のゴールをファンとともに祝うアジャラの目に涙が光ったのも不思議ではない。「苦しみながらも、攻め、耐え続けた。僕らのファンは全てに値する」と試合後に語ったアジャラ。

 この勝利でサラゴサは暫定16位。しかし、降格の危機から脱したというわけではない。「ただの1勝にすぎないし、戦い続けなければならない」とアジャラも語るように、残り3試合すべてに勝つべく全力で挑まなければならない。1部残留という大きな目標に向かって。

(スペイン通信)