■玉置さんは音楽活動の他、ミュージカルにも出演されていますが、音楽の現場と舞台の現場とで違いを感じるのどんなことですか?

玉置:歌は一人なので結構自由なんですけど、舞台はカンパニーで一つの作品を作っていくので。更に時間も掛かるし、お互いのやりたいことをどんどん詰めていけるし、アイディアが増える分ぶつかったりもするという。そこが違う所かなと思います。

■逆に、共通していると感じる部分は?

玉置:歌をやっていたからこそ、ミュージカルをやった時にすんなり「歌で表現する」ということは持っていけたと思うし。逆に、舞台から「感情移入の仕方」というものを自分の歌に持ち帰れました。どちらもプラスになっている仕事です。

■舞台を経験したことにより、歌の表現力が増したと実感する場面はありますか?

玉置:言葉を大事にしよう、という気持ちは強くなりましたね。それによって更に聞き取りやすくなったり、伝わりやすくなるということが、すごく勉強になりました。

■ミュージカルを観に来られるお客さんは、ライブを観に来るお客さんとはまた違った層なのでしょうか?

玉置:最初の舞台の時は大人の方が多かったんですけど、2回目は若い女の子が多かったですね。全然違うオーディエンスの前だったので、すごく面白かったです。日本は、若い人が舞台を観に行く機会があまり無いと思うんですよ。

■若い人達にももっと舞台を観に来て欲しい、という想いはありますか?

玉置:今、舞台をやる若い人がすごく減っていて。私はライブが一番好きで、毎日本番というのが逆に楽しかったりするんですよ。同じように思ってくれる人が増えればな、というのはすごく思いますね。

■来年4月にデビュー5周年を迎えますが、この5年で変わったなと実感する部分はありますか?

玉置:やっぱり、学生だったということがすごく大きな変化で。仕事と学業の両立から、今年やっと仕事だけになって、色々と考える時間が増えて。だから更に仕事に対する欲も出てくるし、「やらなきゃいけない!」という責任感も出てくるし、気持ち的に仕事に対する姿勢がすごく変わったかなと。まだ学業があった時は「学業もあるから…」みたいな逃げ道があったような気がしたんですけど、今はもう仕事しかないので、「自分の生活が…」ぐらいの気持ちで(笑)。“誰に”“どうすれば”玉置成実を伝えていけるか。この5年間ずっと応援してくれている人達や、最近私を知って応援してくれている人達に対して、毎回何かしら面白いことや新鮮なことをやっていきたい、というのはすごく思っていたので。そういうアイディアを考える時間ができて良かったなと思います。