絶対領域を装備したメガネっ娘教官に萌え!

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アキバ系人民において「美少女」と「メカ」の組み合わせは、定番かつ王道と呼べるものです。戦う美少女に萌え、兵器に燃える、これは男の美学なのであります。近年、こういった妄想を満たしてくれる「美少女&ミリタリー」というジャンルに注目が集まっています。今回はその世界を関連書籍のご紹介と共に、ご案内していきたいと思います。


■一冊目■ 〜はじまりは戦車萌え〜

『萌えよ! 戦車学校』
出版社:イカロス出版、発売日:2005年7月1日、価格:1,700円(税込)


amazonでランキング1位を達成し、美少女&ミリタリーというジャンルをこの一冊で確立してしまった革命的名著。萌え本でamazon1位といえば『もえたん(萌える英単語)』が有名ですが、表紙を書店で見た時の衝撃度はこの『萌えよ! 戦車学校』が圧倒的に上でありました(当社比)。

戦車のイロハが基礎から理解できるよう丁寧に書かれてはいますが、初心者には見慣れない専門用語が多く、決してスラスラ読めるものではありません。私は最初半分くらいしか理解できませんでしたが「よくわからないけれどスゴい本だ」という実感だけはありました。漫画・イラスト担当の野上武志さんの絵もキュートで最高ですが、予算の都合なのか掲載ページは少なめです。

■二冊目■ 〜海兵隊スラングのヒドさを体感〜

『まりたん集中ドリル かいへい1ねんせいよう』
出版社:ホビージャパン、発売日:2005年9月10日、価格:1,600円(税込)


パッと見は萌えキャラ出演の英会話コミック集。ところが解説されているのはアメリカ海兵隊の下品なスラングで、日常会話には絶対に使えない文例ばかりという常軌を逸したシロモノです。(例)This leaf is good!! Next to FUCK!!(この葉っぱはいい! ファックの次にいいぞ!)

ちなみに発売時のコピーは「ケツに奇跡をつっこんであげる!」でした。これは月刊『アームズマガジン』の連載企画『魔法の海兵隊員ぴくせる☆まりたん』が単行本化されたものですが、その内容のヒドさに一般流通は控えられ、「ゲーマーズ」「とらのあな」といった違いのわかる一部書店にて限定発売されてました。
絶対領域を装備したメガネっ娘教官に萌え!絵は萌えるがオビに書かれた文章はファック!


■三冊目■ 〜クオリティの高さに脱帽〜

『萌えよ! 戦車学校 II 型』
出版社:イカロス出版、発売日:2006年4月10日、価格:1,700円(税込)


前作の大ヒットを受けて制作された続編。内容はよりコアな戦車の運用(装備・編成・戦術)について解説されています。前作と比較してイラストが「もしかして10倍?」とオビに書かれるほど増強され、非常に読みやすくなってます(これはマジでオススメ!)。私はこの「 II 型」を読んだあたりから、NHKスペシャルやヒストリーチャンネル(ケーブルTV)で放映される軍事関連の番組に敏感に反応するようになった気がしたりしなかったり..。
スカートひらり&パンツ丸見えはまるでAKB48のような(考えすぎ)。


■四冊目■ 〜超下品なスラングを有名声優の声で〜

『まりたん集中ドリル かいへい2ねんせいよう』(出版社:ホビージャパン、発売日:2006年6月17日、価格:2,100円(税込)
まりたんの続編はなんとCD付き! 聞いてみると主人公のまりたんが、すごいジャパニーズ・イングリッシュなカタカナ発音ぶり(ある意味予想通り)。しかし、別の意味で驚いたのは、よい発音で話すキャストがいたこと。それはなんと、まりたんの母親(女王様)役の金月真美さんであったのです。彼女は大妻女子大学文学部・英文科卒で、プロフィールに特技=英語と明記するガチで英語がイケる女性。アキバ的には金月真美=ときメモのラスボス「藤崎詩織」なだけにその破壊力はマキシマム!! あの声で"Fuck"とか"Bitch"とか言いまくりなんですよ。無駄に発音がよいのがまたなんとも……。正直、悶絶しました。
キャストの金月真美に関しては華麗にスルー。大人の事情であろう。Don't think. FEEL!(考えるな、感じるんだ!)by ブルース・リー。


■五冊目■ 〜あらゆる兵器を萌え擬人化!〜

『MC☆あくしず Vol.1』
出版社:イカロス出版、発売日:2006年6月20日、価格:1,200円(税込)


『萌えよ! 戦車学校』を出版したイカロス出版がいよいよ雑誌の制作に着手。キャッチコピーは「ハイパー美少女系ミリタリーマガジン」。戦車・魚雷・巡洋戦艦・駆逐艦などが萌えイラスト化されるイカレっぷりはホンモノです。萌えキャラは他にも「ヒトラーさん」「チャーチル様」「スターリンたん」「ムッソリーニちゃん」などが登場します。誰か止める人間はいなかったのかと心配させる内容に感銘受けまくりでありました。
ヘソ出しコスチュームがミリタリー雑誌の表紙を飾る時代が到来。


■六冊目■ 〜加藤夏希の自衛隊コスプレに「ここまできたか」〜

『萌える! 自衛隊最新ガイド』
出版社:辰巳出版、発売日:2006年9月16日、価格:1,575円(税込)


美少女に強い辰巳出版が美少女&ミリタリー業界に参戦。コスプレを得意とするアイドル・加藤夏希さんを引っさげ、自衛隊が解説されていきます。辰巳とミリタリーというのは、ピンとこなかったのですが、自衛隊のカラー写真が豊富に掲載されるなど、なかなかの力作に仕上がってます。本文中で戦車や戦闘機が登場するアニメや映画が紹介されてますので、その手の作品が好きな人なら買ってもいいかも?(値段はちょっと高いですが)。余談ですが、加藤夏希さんはイイですね!

■七冊目■ 〜もはや敵なし! 孤高の萌えミリタリーマガジン〜

『MC☆あくしず Vol.2』
出版社:イカロス出版、発売日:2006年9月20日、価格:1,300円(税込)


MC☆あくしずの第二弾の特集は「ビルマ航空戦!」。当然、日本陸軍航空部隊の主役(ヒロイン)「隼」も萌えキャラ化です。隼は「献身的に尽してくれる優しい幼なじみ」と称され、日本刀を片手にスカートをひるがえすスレンダーな美少女として描かれています。本誌は読み物としての内容も前作同様に充実していて、ここまでされたら毎号買うしかないと感服せざるを得ません。12月20日発売のVol.3にも期待です!
平仮名表記の「じえーたい」がナッキーには良く似合う。冷静に見るといろんなところが間違っている絵だが気にシナイ!


■番外編■ 〜もはや美少女は不要。戦車があればそれでいい〜

『ティーガー戦車隊(第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録)上・下』
出版社:大日本絵画、発売日:1995年4月(上)、価格:2,520円(税込)
出版社:大日本絵画、発売日:1996年1月(下)、価格:2,730円(税込)


もう美少女は出てきません。敵戦車150両を撃破し、ドイツ軍の伝説的エースと呼ばれたオットー・カリウスの手記で燃えられるようになってきました。萌えは燃えに通ずるという、先人の教えは正しかったのであります。第二次世界大戦中、祖国ドイツのために戦った兵士の視点で書かれているので、いろいろな意味で気軽にオススメはできない本ですが、読む人間によってはたまらない内容です。過酷な戦争体験をした彼はこう書き記しています「戦争は最悪の政治的選択である!」。まったくその通り。戦争を知れば知るほど戦争の愚かさが理解できるようになるのであります。
戦車と男と豚しか載ってないので、萌えはナッシング。宮崎駿のコメント付き! ちなみに監督は、この本にインスパイアされて『泥まみれの虎 宮崎駿の妄想ノート』を後に著作している。世界の宮崎は引退前に戦争映画を作るべき。監督はミリタリー好きをもっと世間にアピールしていただきたい。


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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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