中国人に対して「列に並ばない」というイメージはないだろうか? そこには日本と異なる「当たり前」を持つ国ならではの“切実なワケ”があった。

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 在日9年目の中国人YouTuber・むいむいが、中国人のリアルなホンネを語り尽くした『私たちはどうしても日本にムキになる』(主婦と生活社)より、日中の意外な道徳観の違いを紹介する。


むいむい ©岡利恵子

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並べない背景に中国の弱肉強食社会が

 日本人のみなさんは、「なんで中国人は列に並ばないの?」って、不思議に、むしろ不快に思っている人が多いかもしれません。

 日本人は、空港や飲食店、ATM、どこで順番待ちの列を見かけても、いつも一本の綺麗な列を作っています。誰に指示されるわけでもなく、自然に適切な距離を保ちながらこれほど綺麗に並べるのは、世界的に見てもおそらく日本人だけ。気づいていないかもしれませんが、これも完全なる特殊能力!

 中国人は一列に並ぼうとしても、いつの間にか列が分岐しちゃったり、前の人との間隔をギュウギュウに詰めちゃったり、後ろの人が荷物でグイグイ押し上げてくる、なんてことも日常茶飯事。それでも、誰も文句は言いません。

 もちろん、中国人にも並ぶ気持ちはあります。

 でも中国はとにかく人が多すぎて、どこに並べばいいのかわかりにくいし、隙間があったら最後尾かと思って入り込んじゃう人もいるから、自分の順番は自分で必死に守り抜かなくてはいけないのです。

「前の人との距離をちゃんと空けて、お行儀よく……」なんて優雅に構えていたら、すぐに割り込まれていつまでたっても自分の順番は来ません。中国人はそういう弱肉強食の世界で生きているということを知っておいてもらえたら嬉しいです。

 では、なぜ日本人はあんなに綺麗に列に並べるのか。私が思うに、人に迷惑をかけてはいけないという意識がすごく強いからだと感じます。

日本人には自分勝手に映る「家族主義」と「損得感情」

 もちろん中国の学校教育でも、道徳の授業で「人を尊重し、助け合いなさい」と教えられます。ただ、中国人は身内と他人の線引きが強烈で、身内のことはめちゃくちゃ思いやるけど、赤の他人には全く関心を持たない、という究極の家族主義が根付いているんです。

 この「他人への無関心」からくる行動が、日本人にとって自分勝手に映ってしまうのかもしれません。

 また、中国では損得で物事を考える人が圧倒的に多いともいわれます。特に私の地元は商人の街なので、そういう傾向が強いです。

 日本社会には優しさが根付いていて、優しいことを評価する文化があるけれど、中国では「優しい人は馬鹿だ」「優しくしても得なんてしないのに」って言われてしまう。こういう文化のギャップが、お互いの理解をちょっと難しくしている気がします。

中国でも北部と南部で違う「人との距離感」

 ちなみに中国人が列に並ぶときに詰めてくるのは、単純に人との距離感が近いからというのもあります(笑)。

 特に北京などの北方エリアで暮らす中国人は、物理的にも心理的にも人との距離が近く、パーソナルスペースがかなり狭いんです。性格は情熱的で豪快な人が多く、「人類皆兄弟!」って感じで、初対面でもすぐに打ち解けます。

 逆に日本人は適度な距離感を保つことを好むし、パーソナルスペースもかなり広いので、一定の距離より近づくと不快感を抱くんだと思います。

 以前、東京タワーのアミューズメントセンターでアルバイトをしていたときに、順番待ちの列の間隔がかなり空くので「もうちょっと詰めてください」と呼びかけていたのですが、日本人は大抵詰めてくれないので困りました(笑)。

 でも、私の育った浙江省を含む中国南方地域の人々も、人と適度な距離感を保つことを好みます。性格も比較的穏やかで礼儀正しい人が多い印象。ひと言で中国人といっても、北と南で性質はかなり違うんです。

 私は南方の人間で、人見知りかつ、一般的な中国人よりは自己主張が苦手なので、正直中国より日本の方が性に合っているな〜と改めて思う今日この頃です。

日本人を見分けるには「髪」と「肌」を見ればいい…中国人YouTuberが明かす、日本人だけが気づいていない“意外な特徴”〉へ続く

(とある中国人のむいむい/Webオリジナル(外部転載))