【ファンキー通信 カルチャー編】『少年ジャンプ』にソックリな同人誌が出た!!!

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 先日オタクの友人に連れられて、秋葉原の「とらのあな(オタク向けのグッズや本を扱う店)」に入店したところ、同人誌販売のフロアにて『少年ジャンプ』が売っているのを発見! 「なぜここに『ジャンプ』が?」と手に取ってよくよく見てみると、それは『少年フェイト』という名の同人誌であった。スゴイ・・・『ジャンプ』とソックリなんですけど。

 買って読んでみて二度ビックリ。少年マンガ誌お馴染みのゲーム紹介ページはもちろんのこと、「スマートになれる」と謳うアヤシイ製品の広告ページや、グラビアページまで忠実に再現。さらに驚くのは、それらがすべて“ニセモノ”であるということだ。ご丁寧に戦闘シーンまで掲載されたゲームは実在しないものだし、グラビアに登場しているイリヤという少女は、この同人誌の元ネタであるゲーム『Fate/stay night』の登場人物なのだ。ウ〜ン、ここまでソックリに作る気合には恐れ入るばかり・・・。

 また、肝心のマンガも実にユニークな構成となっている。20名以上もの同人作家たちが『Fate』を元ネタに描いているのだが、どれも先週から続いていたかのように始まり、あたかも来週へ続くかのように終わっていく。読者側に「えええ! ここで終わり!?」と思わせるニクイ演出も、『少年ジャンプ』さながらだ。

 もちろん、それ以外にも『ジャンプ』テイストは随所に出まくっている。巻末コーナーでお馴染みの「ジャンプ放送局」をもじった「フェイト放送局」や、『Fate』のキャラクターが「“不良王”におれはなる!」と叫ぶ(恐らく『ONE PIECE』のパロディ)作品もある。このように2つの作品の要素を掛け合わせることを、同人用語では「ダブルパロディ」と呼ぶらしい。

 「とにかくスゴイ!」ってことはわかってもらえたと思うけれど、素人目線の筆者が語れるのはここまでが限界だ。もっと『少年フェイト』の魅力を知ってもらうには、玄人の意見が必要・・・ということで、ある女性同人作家の方にお話を伺ってみた。

 「(『少年フェイト』を読みながら)・・・これで定価1500円は、安いほうだと思いますよ。こんなにたくさんの同人作家が集まるのは珍しいことですし、作家の質も高いですからね。マンガには“同人誌っぽい描き方”と“商業っぽい描き方”の二通りがありますが、後者は下手な作家にはまず出来ません。それなのにホラ、ここに掲載されているマンガは、どれも商業誌に通用するようなものばかりでしょ?」(同人作家 H子さん)

 確かにどれも『ジャンプ』に掲載されていても遜色ないものばかり・・・。『少年フェイト』は、今までの同人誌における常識を打ち破る、革命的な一冊なのだ。普段同人誌に親しみのない人も、これは読むっきゃない! (安田明洋/verb)

■関連リンク
少年フェイト - 『少年フェイト』のオフィシャルWebサイト
「Fate-stay night」公式ページ - ゲーム『Fate-stay night』のオフィシャルWebサイト