地方公務員と結婚した友人。高収入でいいねと言ったら「一般企業と変わらないよ」と返されました…公務員は“高給取り”のイメージなのですが、そうではないんでしょうか?
地方公務員の年収はどのくらいなのか
まず、地方公務員の給与水準を確認します。総務省「令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によると、一般行政職における給与月額合計(給料月額と諸手当月額の合計)は全地方公共団体平均で40万2761円とされています。
これに加えて、期末・勤勉手当、いわゆるボーナスは年額161万4265円となっており、これらを合算した年収の概算はおよそ644万7397円です。あくまで一般行政職における全国平均であり、自治体や職種、勤続年数、役職などによって差はありますが、地方公務員の年収は600万円台半ばがひとつの目安になるといえます。
この金額を見ると、「高収入」と感じる人もいるかもしれませんが、次に民間企業との比較が重要になります。
民間企業の平均給与と比べるとどうか
国税庁長官官房企画課の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円です。この数字と比べると、地方公務員(一般行政職)の平均年収約645万円は、確かに上回っています。
ただし、単純比較の際は、民間の平均給与には正社員以外(非正規・短時間勤務など)も含まれる一方、ここで引用している地方公務員の一般行政職は原則として正規職員が中心である点を考慮する必要があります。
「高給取り」というイメージが生まれやすい理由
地方公務員が「高給取り」と見られやすい背景には、いくつかの要因があります。まず、給与体系が公開されており、基本給や昇給、ボーナス(期末・勤勉手当)の仕組みが比較的分かりやすい点が挙げられます。また、景気に左右されにくいことから、雇用や収入が安定しているという印象を持たれやすい側面があります。
一方で、民間企業では成果や業績によって大きく年収が伸びるケースもあり、同年代・同学歴で比較しても、特に大企業や専門職などでは民間のほうが高収入になる場合があります。
地方公務員の給与は年功的な昇給が中心で、成果に応じた大幅な年収アップの仕組みは限定的なため、安定性と引き換えに、年収が急激に伸びにくい構造になっていると評価されることがあります。
まとめ
公的データを見ると、地方公務員(一般行政職)の平均年収は600万円台半ばで、民間企業の平均給与を上回っています。ただしこの差については、単純に「公務員は高給取り」と結論づけることはできません。
民間給与の平均には、正社員以外の雇用形態も含まれている一方、ここで示した地方公務員の一般行政職は、原則として正規職員が中心であるという、統計上の前提条件の違いを踏まえる必要があります。
地方公務員の給与水準は、民間と比べて極端に高いわけでも低いわけでもなく、安定性を重視した設計になっているといえます。「高収入」というイメージだけで判断するのではなく、働き方や将来の見通しも含めて総合的に捉えることが重要です。制度や統計の前提を正しく理解することで、より実態に近い判断ができるでしょう。
出典
総務省 令和6年地方公務員給与の実態 令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第2 統計表I 一般職関係 第4表~第9表の4 第5表 職種別職員の平均給与額(253~254ページ)
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
