XFN-ASIAによると、米航空最大手のアメリカン航空は8日、米運輸省に申請しているダラス−北京便の新ルート就航について、飛行時間がパイロットとの労働契約条件を15分上回るため、シカゴを経由することを労組側に提案したことを明らかにした。同航空と労組が先ごろ行なった水面下の交渉は決裂している。

  アメリカン航空はシカゴのオヘア空港でパイロットや乗務員の交代を行い、就労時間を制限内にとどめる意向。一方、利用客はこれにより飛行時間が4時間追加されるという。北京発の帰路については、追い風により飛行時間が短縮されるとしてシカゴを経由しない予定。就航が実現した場合、米南部と中国を結ぶ初めての直行便となる。

  アメリカン航空を含む航空4社は10月、新たに米国と中国を結ぶ7ルートについて往復週1便の就航を申請。ユナイテッド航空はワシントン−北京便を、ノースウエスト航空はデトロイト−上海便、コンチネンタル航空はニュージャージー州ニューアーク−上海便の就航を計画している。

  就航許可を得るため、各社は政治家や顧客を動員。ノースウエスト航空は支援を表明する手紙を16万8000通獲得する一方、ユナイテッドは米議員110人からの支持を集め、米航空管理当局の元トップを宣伝キャンペーンの中心に据えている。アメリカン航空も議員108人の協力を得ており、州知事15人が同社案を支持していると主張している。【了】