袴田さんに続くように裁判のやり直しの決定が示されました。1986年、福井県で女子生徒が殺害された事件で服役した男性に対し10月23日、裁判所は再審を認めました。10月、無罪が確定した袴田巖さんの弁護士は「再審の重要性が広まっている」と話します。

【写真を見る】「再審の重要性が広まっている」発生から約39年 福井市の事件再審決定 袴田巖さんの弁護士と姉ひで子さんから喜びの声

<記者>

「手元には再審開始の文字。裁判のやり直しは認められました」

1986年3月、福井市の市営団地の自宅で留守番をしていた中学3年の女子生徒が殺害された事件では懲役7年の刑で服役した前川彰司さん(59)が、出所後の2004年に再審を請求しました。

事件から約38年が経った10月23日、名古屋高裁金沢支部は再審開始を認める決定をしました。10月、再審で無罪が確定した袴田巖さん。担当弁護士は「再審の重要性が広まっている」と話します。

<袴田さんの弁護団 小川秀世弁護士>

「(袴田さんと)共通する部分はいろんな意味で苦労されてて再審開始になったところが一番共通している」

前川さんの再審請求をめぐっては弁護側がそれまで検察が提出していなかった証拠を開示するよう要求。裁判所も促した結果、検察が多くの証拠を開示していて袴田さんと同じ経過をたどっています。

<袴田さんの弁護団 小川秀世弁護士>

「有罪にされた人が実は無罪ではないかということを思わせるような証拠を検察官が持ってるというのは、おかしいじゃないかという意識も浸透してきたと思う。それがやっぱりひいては裁判所も動かしている。再審開始に繋がっている」

今後は前川さんの再審決定に検察が異議を申し立てるかが焦点となります。袴田さんの姉、ひで子さんは前川さんの再審開始に対し、「大変喜んでいます。私たちも巖だけが助かればいいとは思っていません。再審を待ち望んでいる方のためにも頑張ります」とコメントしています。