日本気象協会は「冬用タイヤ準備前線」を発表。北海道の山地では、すでに冬用タイヤの装着が必要な所があります。東北地方の山沿いや北陸地方は、11月前半には交換の必要がありそうです。去年よりも早めの冬道準備をお願いします。

「冬用タイヤ準備前線」発表 去年より早めの準備を

日本気象協会は23日(水)、ドライバーの皆さまに冬期の道路を安心・安全に運転いただくため、冬用タイヤの準備・交換時期の目安となる「冬用タイヤ準備前線」を発表しました。

今年2024年の秋は、10月前半までは暖かい所が多かったものの、10月後半ごろから北日本を中心に初冠雪や初雪の発表が続くなど、本格的な冬の訪れを感じられるようになりました。
北海道の中山峠や、東北地方の仙岩トンネル、上信越の三国峠など、北海道の山地や東北・北陸地方の標高の高い地域では、既に冬用タイヤの装着が必要となっています。

この先はしばらく寒気の影響は受けにくくなるものの、山沿いでは冬用タイヤが必要な地域が出て来る予想です。東北地方の山沿いや北陸地方は、11月前半には交換の必要がありそうです。西日本でも、標高が高い地域は11月後半には冬用タイヤに交換するようにしてください。
12月以降はたびたび強い寒気が入り、冬らしい天気や気温となる所が多い予想です。東・西日本の平野部を除いて、12月に入るまでには冬用タイヤに交換するよう心がけましょう。

昨シーズンの冬は記録的な高温となりましたが、今シーズンの冬は昨シーズンの2倍以上の頻度で日本付近に寒気が襲来する予想です。本州の峠道では、去年2023年よりも積雪の可能性がある時期が10日程度早まる可能性もありますので、去年よりも早めの冬道対策を心がけましょう。

12月以降の冬用タイヤ準備については、次回11月20日頃に発表予定です。(※気象状況等の影響により、発表日は変更の可能性があります)

ノーマルタイヤの危険性 雪道では必ず「冬用タイヤ」の装着を

雪道では、タイヤチェーンや冬用タイヤを装着した車での走行が法令で義務付けられています。
ノーマルタイヤで雪道を走行すると、タイヤが低温で固くなり吸着性が失われ、路面を摩擦で捉えることができなくなります。
「滑る」「止まらない」「曲がらない」と、自動車が本来確保しなければならない動きが制御できなくなり、大きな事故につながりかねません。

雪道を時速40kmで走ったときのブレーキを踏んでからクルマが止まるまでの距離は、ノーマルタイヤは冬用タイヤの約1.7倍にもなるという走行実験結果もあります。
また、「タイヤチェーンがあれば冬用タイヤはいらない」わけではありません。タイヤチェーンを巻いたノーマルタイヤは、雪道を前に進むことはできるようになるものの、ブレーキのききが悪く危険です。
事故を起こして後悔しないよう、降雪に備えて早めに冬用タイヤを用意しましょう。

なお、新品の冬用タイヤには慣らし走行が必要です。
購入したばかりのタイヤは表面に少し硬めの薄皮が張られています。これがほぼなくなるまで摩耗(まもう)させることにより、グリップ力が向上し、本来のタイヤの性能を発揮できるようになります。
新品の冬用タイヤを購入したらすぐにタイヤ交換を行い、雪が降る前までに、距離にして100kmくらいを目安に慣らし走行をしましょう。
新品を用意する予定の方は、より早めのタイヤ交換を心がけてください。