藤川監督が見守る中、黙々と打ち込む佐藤輝(撮影・田中太一)

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 「阪神秋季練習」(22日、甲子園球場)

 阪神の佐藤輝明内野手(25)が22日、甲子園で始まった秋季練習に参加し、背中でチームを引っ張ることを決意した。5年目を迎える来季、V奪還のためにも若き主砲のさらなる成長と飛躍は欠かせない。ミーティングでは藤川新監督から「しっかり姿勢を見せていけ」と名指しでゲキを飛ばされた。打撃に守備と全ての面でレベルアップを図る。

 指揮官の言葉が佐藤輝の胸に響いた。「しっかり姿勢を見せていけ」。新体制としての始動を前にしたミーティングで藤川新監督が名指しで発した猛ゲキ。チームの主力として寄せられる期待に若き主砲は全力で応える。

 「背中を見せていきます」

 屈辱のCSファーストS敗退から短い休養を終え、来季へのスタートを切った。4年目の今季は、不振で5月中旬から6月上旬にかけて2軍に降格を経験するなど、プロ入り最少の120試合出場で打率・268、16本塁打、70打点。本塁打は入団後初めて20本を下回り、三塁守備でも両リーグワーストの23失策となった。

 来季V奪還へ、欠かせない佐藤輝の進化。それだけに、指揮官は大勢の首脳陣、選手らの前で名前を挙げた。やらなければならないのは、本人も十分承知している。この日の練習では、三塁でみっちりノックを受けた。「しっかり課題を意識しながらやってます。それ(課題)はもう一つじゃないので」と、改善すべき守備と向き合っている。

 鍛えられる時間は無駄にしない。昨年は38年ぶりの日本一を達成し、その後は11月に行われた「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」に日本代表として出場した。秋季キャンプには参加できず、優勝パレードやハワイV旅行と祝賀行事に追われるオフだった。「(打撃と守備)どっちも頑張ります」と、今オフは鍛錬の日々にするつもりだ。

 成長のため、藤川監督とも積極的に言葉を交わす。指揮官が引退した20年度ドラフトで入団したため、一緒に戦うのは初めてになる。「(ミーティングで)しっかりとコミュニケーションを取ってという話もあったので。いろいろ話ができればなと思います。みんなでこう意見を出しながらできるかな」と佐藤輝。5年目となる来季、さらなるレベルアップを遂げた若き主砲が、圧倒的な存在感と数字を残す。