7回、3番手で登板した杉山(撮影・星野楽)

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 ◆パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ 第3戦 ソフトバンク3―2日本ハム(18日、みずほペイペイドーム)

 ソフトバンクの杉山一樹が7回に登板し、2三振を奪うなど三者凡退に抑え、セットアッパーとして完璧なリリーフを見せた。

 開幕した直後はビハインドや大差で勝っている場面での登板が多かった。それでも結果を出し続けた。首脳陣の信頼はみるみる高まっていき、けがでの離脱者が増えていく中、終盤はセットアッパーとしてチームの中継ぎ陣を支えた。最終的には50試合に登板し、4勝0敗、防御率1.61。圧倒的な数字を残し、ポストシーズンでも絶大な信頼が置かれている。

 初めてのCSのマウンドとなった第2戦の登板も三者凡退に抑えた。この2試合はこれまでのレギュラーシーズンでの登板と「全く変わらなかった」と振り返る。それは先輩右腕の言葉があったからだった。7月15日のロッテ戦(みずほペイペイドーム)。無死満塁でリリーフ登板するも押し出し四球三つで逆転を許した。試合後、ウエイトルームで松本裕樹から「立場が変わってもやることは変わらない」と伝えられた。「僕自身、開幕から自信もないけど不安もない状態でマウンドに投げられているから、その言葉もすっと入ってきた。その結果が今出ている」と杉山は語る。

 その言葉のおかげで短期決戦でもレギュラーシーズン同様の心構えで試合に入れている。「準備をすごい大事にしてきましたし、物事を一つ一つ丁寧にやってきたから不安がない」。日本一を決める戦いでも、変わらない準備と気持ちでマウンドに向かう。(大橋昂平)