「もう歩けない」3歳児の登園渋り。35度超えの猛暑の中、母親は強しの苦渋の決断

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X(旧Twitter)で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている「ひみつのうつ子ちゃん」(@utuko_chan)。「いいね」1万超えも多数! 人気の秘密は、「あるあるの共感力」です。そんな話題のポストでは書ききれなかったエピソードをうつ子ちゃん自身が執筆。

3歳の息子さんがいるうつ子ちゃん。猛暑が続いた今年の夏、通園時に全身の水分が抜けきってしまうような出来事に見舞われてしまったうつ子ちゃん。一体どんな出来事だったのでしょうか? Xで6万件もの「いいね」やコメントが集まったエピソードです。

秋の気配、運動会シーズン到来だけれど…

10月は「運動会」シーズンです。最近は、春に運動会が行われる学校も多いみたいですが、私が住んでいる地域では10月開催の保育園や学校が多く、ピークは14日の「スポーツの日」前後になりそうです。息子が通う保育園でも先日運動会がありました。この春から新しい保育園に通い始めたので、はじめての運動会です。園から帰ると、運動会に向けて「こんなこと練習しているよ!」と息子がうれしそうに報告してくれ、私も夫も息子の健闘を楽しみにしていました。

当日は、お天気もよく運動会日和。10月に入ってからは、先日までの尋常じゃない猛暑が嘘のように、朝と晩は秋風そよぐ涼しい季節になりました。運動会当日の朝も少し肌寒く、日焼け防止も兼ねて、私は“長袖”を着て運動会に向かいました。10時頃から始まった運動会は、子どもたちのかわいいダンスやかけっこのプログラムからスタートです。息子はかけっこでスタートすると、観覧席にいるじぃじが目に入り、なぜかじぃじ目掛けて一目散に走って行き、先生たちに「そっちじゃないよ〜!」と止められていました(笑)。

でも、一番でなくても途中で座ってしまっても、どの子もみんな一生懸命で本当にかわいくて、微笑ましくて。ちょっと前まで、ミルクを飲まないだの、きちんと育てられるかしら、と悩んでいた頃が嘘のように走り回る息子を見て、本当に大きくなるのはあっという間だな、と目頭が熱くなってしまいました。

ですが、目から涙が……だけでなく、お昼が近づくにつれて首筋や脇からも涙……、いえ流れるように滝汗が吹き出してきたのです。もう、暑い…!暑すぎる…! 気づくと、あの真夏の太陽が再来! ジリジリとした太陽が照りつけていたのです。え〜、もう10月なんですけど……? 早朝から張りきってシートを敷いて最前列で観覧していた保護者たちにも容赦なく照りつける太陽……。私たち含め、みな少しずつ「暑っ〜ちぃ〜!」と言って日陰に避難を始めました。

もう夏は終わった、猛暑は終わったと油断していました。今週の天気を見ると、驚くほど気温が低い日もありますが、私が住む大阪では14日のスポーツの日前後は、30度近くまで気温が上昇するという予報も出ています。運動会がある保護者のみなさま、お天気がいい日はまだまだ気温が上昇する日もあるので、私のような失敗はしないように、熱中症にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

今回はそんな“暑さ”に絡んだ、息子とのホッカホカなエピソードをご紹介します。

猛暑の夏を振り返って……地獄の出来事

連日35度超え、40度近い日が当たり前だった今年の夏。「朝ぐらい涼しい空気を」と起き抜けに窓を全開にしてもモワッとした熱気ばかり……。息子が保育園に行く頃には、猛烈な太陽がジリジリと照りつけていました。それでなくても、夏は朝食の準備に洗濯に、息子の登園の準備に、と家事や支度をしているだけで、グッタリ……。エアコンをつけていても汗だくです。でもこの後、朝のメインイベントの「登園」があるのですから、頑張らねばなりません。

保育園には、お迎えバスで行かれる方、自転車で送り迎えをしている方など色々いらっしゃると思いますが、我が家の場合、徒歩を選択しています。保育園は、大人の足で徒歩5分のところにあるので、あえて自転車を買わない、使わないという選択をしました。通園時に「できるだけ外を歩いてほしい」という思いも込めていたりするのですが、それが私自身の首を思い切り締めてしまうこともあります。

この日もいつものように「保育園いくよ〜!」と息子に声をかけるのですが、「え〜、今日は保育園、行かない」とローテンションな返事をする息子。外は快晴なのに、雲行きが怪しい息子です……。なんとか息子の気分を切り替えて、「さぁ、行こう!」と玄関から出ることには成功しました。

このときの外の気温はすでに35度超え……、ダラダラしていたらますます暑くなってしまう……、という気持ちが自然と表れてしまったのか、私はいつもより早足で歩いていました。すると息子が急に「もう歩けない……」と歩道にしゃがみ込んでしまったのです。「えぇ!? まだ家を出て1分も経ってないんですけど!?」と、ゲリラ豪雨の前兆のような雲行き……というぐらい怪しくなりました。空は雲ひとつない、驚くほどの快晴なのに……。

「保育園の先生やお友だちが待っているよ」とか「今日は何のお歌の練習するのかな」など、息子がのってきそうな言葉で、なんとか息子のひざを伸ばそうと頑張るも、動くことはなく、息子の気持ちは大雨状態です……。こんな日に限って、私も早く帰宅してやらねばならぬ仕事が待っている……。ここで10分も20分も息子の心が晴れるまで、炎天下で待つなんてあり得ない……。さぁ、どうする、うつ子……!!

気温35度越え、猛暑の中の息子とのデッドヒート

「よし!……がんばって歩けば保育園まで数分で着く」と息子を抱きかかえてみたのです。最近、ダイエットを兼ねて意識的にエスカレーターを使わずに階段を使っているじゃないか、「これも筋トレよ!」と保育園まで息子を抱いていくことを決心したのです。

しかし、現在15キロまで成長した息子。「もう歩けない」と地蔵化した息子は、いつもより不思議と重たく感じます。でも、ここで負けてはいけないと、15キロの息子を抱っこして歩くこと3分……。「ハァ…ハァ…もう無理…暑すぎるぅぅぅ」とまるで映画『ハウルの動く城』に出てくる荒れ地の魔女のような滝汗が流れ始めたのです。全身の水分が抜けてしまったのかと思うほどの滝汗だったのです。

そのときの様子をX(旧Twitter)でポストをしたところ、「同じ経験があります」という滝汗仲間のママさんパパさんから共感のコメント、約6万もの「いいね」をいただきました。

◇『毎朝、登園がこれ状態なんだけど(笑)。しかも今日友だちから、すれ違って挨拶してるのに4.5回くらい気づいて貰えなかったと言われた。マジごめん(笑)! 我、ほんと必死!』

わかります。この状態で声をかけられても、私もお友だちの声は耳に入らないと思います(笑)。

◇『毎朝駐車場から20メートルぐらいの保育園の玄関まででこんな感じ。イヤイヤ星人は制服も着ないし、靴も履かない。今日はついに肌着で登園した』

イヤイヤ星人、恐るべし。我が家のイヤイヤ星人も本日の登園時には「かっこいい半そで着ていきたいの」って服選びに10分以上かかりました……。

◇『わかります…夏にホッカイロ貼ってるようなものですからね…』

そうなんです! 子どもって大人より体温高めなので、猛暑の中で胸からお腹までホッカイロを貼りまくっている状態になりますよね。そして、その最強の罰ゲームがたびたび展開されるのです……。

大変や困ったを言いやすい社会とは

頂いたコメントでも多かったのが、子どもの「もう歩けない」に親はどう対処するか、ということ。これ、親にとっては大きな試練なのですよね。ベビーカーを持っていたり、車や自転車がすぐのところにあれば話は別なのですが、子どもの「もう歩けない」はいつ飛び出すか予想ができません。荷物もあって、大人は私ひとりだけ、そして目の前に地蔵化した15キロの息子、極めつけに照り付ける太陽……はい、王手です。もうここまで条件が揃えば、“詰み”です。

「抱っこ出来るのは今のうちよ」とか「そのうち抱っこさせてって言ってもイヤ!って言われちゃうよ」ということも確かにあると思いますが、子育てって、「そういうもの」「それも経験」という言葉が「我慢して当たり前」「みんなしてきたことなんだから」という言葉で、新米の親たちの困ったや辛いの本音が、封じ込められてしまうことも多いと思うのです。

このときの私のように、悲壮感たっぷりの表情で、子どもを抱っこして頑張って歩くママと、今まで何度すれ違ってきたことでしょう。保育園までの歩道、商店街、公園や駅のホーム……。いつも心の中で私は「ちょっと抱っこ替わってあげたい……!」とか「大変ですよね、わかります、って声かけたい…!」とか色んな想いをグルグル回しながら、声をかける勇気なくすれ違っております。でも、今回こんなにも共感の声が多かったということは、困っている人も多いということ。自分の手が塞がっていないときには、「手を貸しましょうか?」「わかります! うちも同じだから」と言えるようになりたいと思いました。

そのためには、体力・腕力も身につけねばですね。手を貸しましょうかと言った私がグッタリしていたのではトホホですから(笑)。最近は息子と一緒に屋内プールに通うようになり、夜はぐっすり眠れるようになりました。昼夜の寒暖差にも負けないように、よく食べてよく寝てよく運動です! そして、15キロの息子の抱っこにもバテないように頑張ります! ワッショイ!!!

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