秋到来のいま「この時期に食べないと大損」する、コスパのいい《3つの食べ物》…その意外な理由

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「中医学は“季節の養生”と言われるほど、季節や暦を重視する」と語るのは、中医学と心理学の両面から、健康に過ごすための「生活習慣」を提案する、SNSでも大人気の漢方コンサルタント・櫻井大典氏。

秋に入り、夏の疲労が取れないまま、激しい気圧の変化や朝夕の寒暖差で体調を崩し、メンタル面でも気分の落ち込みなどを感じている人も多いはず。

本稿では、数千年という歴史に裏づけられた中医学の知恵と四季折々の暦をもとに、ベストセラーとなっている同氏の著書『二十四節気の暦使い暮らし かんぽう歳時記』より、秋に食べたい「白い食材」の正体と、その効能について解説します。

秋の五臓「肺」を潤すのは「白い食材」

中医学で秋の五臓(※)である肺はとにかく乾燥に弱いため、とくに食べ物でしっかりと“潤い”を補給することが、養生のコツ。乾燥による便秘がち(コロコロとした硬い便)の方は、加熱した葉野菜や発酵食品などを摂って、腸内細菌のバランスを意識してみましょう。

そして、秋の五臓である肺に良く、潤いをもたらしてくれる食材には、ある共通点が……。それは、色が「白い食材」であること。ここでは秋口にこそ食べたい「白い食材」について、ご紹介していきます。

漢方薬にも配合される生薬「山芋」

山芋は、「山薬(さんやく)」とも呼ばれ、じつは、たくさんの漢方薬にも配合されている生薬です。

身体を元気にし、潤いを補い、肺と胃腸と足腰を強め、若々しさまで保つという、まさに、秋に“食べないと損”なエネルギー補給剤。できれば、加熱して食べるとなお良し。簡単でホクホク美味しい「山芋ステーキ」などいいですね。長芋も同じくおすすめです。

秋にうってつけの潤い補給剤「松の実」

松の実も、潤いを補う中医学の養生キーワード「滋陰(じいん)」に良い食材です。

なじみがないという方も多いかもしれませんが、薬膳では、潤い補給剤の代表格です。品揃えの良いスーパーや中華食材店にはかならず置いてあるので、意外と手に入りやすい食材です。スナックとして軽く炒って食べるのもいいですし、お米と一緒に炊く「松の実の炊き込みご飯」は食感も楽しく、栄養満点です。

秋特有の喉の乾燥や不調には「梨」

梨には、潤いを生むのみならず、渇きを癒やし、余分な熱を取りつつ咳を鎮める力があります。

梨が旬を迎える8月下旬から秋が深まる頃まで、長く食べたい食材のひとつです。養生的なおすすめの食べ方は、同じく身体に潤いを与える氷砂糖と一緒に蒸していただく「梨の薬膳デザート」。喉の乾燥や不調を感じたら、ぜひ、食べてもらいたい1品です。

〈梨の薬膳デザート〉

[材料]

梨… 1個

氷砂糖… 約3個

[作り方]

1.梨のヘタを、蓋になるようにまっすぐ切る。

2.芯をスプーンでくりぬき、氷砂糖を入れる。

3.1 の蓋をして、汁が溢れないように深めの皿に入れて蒸し器で40 〜 50分蒸す。柔らかくなり、皮にヒビが入ってきたら完成。

秋口に必須の“生薬”ともなる「白きくらげ」

中医学では「銀耳(ぎんじ)」といって、秋口の潤い対策に必須の“生薬”ともなる、白きくらげ。

生のきくらげは6〜9月が旬ですが、手に入りづらいので乾燥きくらげでかまいません。水で戻して小分けに冷凍しておけば、すぐに使えて便利ですよ。

白きくらげと梨を一緒にとろみが出るまで煮て、はちみつを加えると、秋の乾燥対策のデザートになります。ちなみに黒きくらげも優秀な薬膳食材で、気と血(けつ)を補い、肌を潤してくれます。

…つづく《なんと「スキマ時間で効果抜群」のすごい健康法を発見…!座ったままでもOK、乾燥・咳・睡眠障害・風邪予防にも最適》では、秋の身体の不調をスッキリ解消し、免疫力を高める、秋の「生活習慣」について紹介します。

(※)中医学の思想で「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」という。五行は、季節や感情などともつながる。

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