「原発大国」日本「実は核兵器つくれる」…米国も焦った佐藤栄作の「駆け引き」が衝撃的すぎた…!

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知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本

日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

政府による巧妙な「ウソ」とは一体…?

国際情勢が混迷を極める「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

「日本は核武装するだろう」

1970年代に米国の国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャーは、「日本はいずれ核武装するだろう」と予測しました。

2023年5月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じたキッシンジャーは、こう述べています。

「中国は世界の支配ではなく(自国の)安全保障を追求しているが、アジアでは支配勢力になることを望んでおり、(中略)日本はこれに対抗して大量破壊兵器を独自に開発するだろう」(同紙、2023年5月27日付)

言うまでもなく、日本は世界で唯一、戦争で核攻撃を受けた経験を持つ国です。国民の多数が「核兵器のない世界」を希求しており、核武装を望む国民はごく少数です。

日本世論調査会が2023年7月に実施した全国世論調査では、80%の人が核兵器を「持たず」「つくらず」「持ち込ませず」の非核三原則を日本は「堅持するべきだ」と回答しました。

こうした世論状況の下で、日本政府が核武装のオプションを選択する可能性は現実的には極めて低いと思います。そもそも日本は核兵器不拡散条約(NPT)の締約国であり、核兵器の製造・取得は禁止されています。NPTを無視して核武装に踏み出せば、北朝鮮のように世界から孤立し、経済制裁の対象になります。日本にとってはデメリットの方がはるかに大きい選択です。核兵器の不拡散を重視する米国も、日本の核武装は絶対に認めないでしょう。米国との同盟関係も危うくする選択を日本政府が行うとは考えにくいと思います。

岸田内閣が2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略は、次のように記しています。

我が国の防衛力を抜本的に強化しつつ、米国との安全保障面における協力を深化すること等により、核を含むあらゆる能力によって裏打ちされた米国による拡大抑止の提供を含む日米同盟の抑止力と対処力を一層強化する。

自ら核武装するのではなく、米国との安全保障協力を深化させることで、米国の「核の傘」による抑止力を強化していくのが現在の日本政府の方針です。

しかし、米国の安全保障の専門家の中には、キッシンジャーのように、米国が提供する「核の傘」への信頼が失われた場合、日本は核武装を目指す可能性があると考える人たちが存在するのも事実です。

佐藤栄作による「駆け引き」

実際、日本政府の中で核武装のオプションが検討されたこともあります。

きっかけとなったのは、1964年の中国による核実験の成功でした。ソ連に続き中国も核兵器保有国になったことで、日本政府の中で危機感が高まりました。しかも当時は、日本に「核の傘」を提供すると米国政府は明言していませんでした。

中国が核実験に成功した直後、佐藤栄作首相は会談したエドウィン・ライシャワー駐日米国大使(在任1961〜66)に、「もし相手が核を持っているのなら、自分も持つのは常識だ」と語り、日本の核武装をちらつかせました。

これに警戒感を抱いた米国政府は数ヵ月後に行われた日米首脳会談の際、日本に「核の傘」を提供すると約束しました。

米国で機密解除された外交記録によると、ジョンソン大統領が「核の傘」の提供を明言すると、佐藤首相は「それが問いたかったのだ」と返したといいます。佐藤首相は、核武装のオプションをちらつかせることで、米国から「核の傘」提供の確約を引き出そうとした意図がうかがえます。

外務省内で核武装のオプションを検討

1968年の国連総会でNPTが採択され、日本の参加の可否が問題になった際には、外務省内で核武装のオプションが議論になりました。

議論は、外務省の幹部たちが外交の重要課題について話し合う「外交政策企画委員会」で行われました。同委員会が1969年9月にまとめた「わが国の外交政策大綱」という文書(「極秘」指定。2010年に外務省が秘密指定解除して公開)には、次のように記されています。

核兵器については、NPTに参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持するとともにこれに対するをうけないよう配慮する。

当面は日本独自で核兵器を保有するオプションはとらないが、核兵器を製造できる能力は保持し続けるというのが、外務省の幹部たちが下した結論だったのです。

「核兵器を製造できる能力」とは、原子力発電によって核兵器の製造に必要なプルトニウムを手にすることを意味します。

「原発大国」である日本は現在、4600キログラム近いプルトニウムを保有しています。国際原子力機関(IAEA)は、1個の核兵器が製造される可能性を排除できないプルトニウムの量を8キログラムとしています。これで計算すると、日本は600発近い核兵器を製造できる能力を潜在的には保有していることになります。

>>つづく「安倍晋三「タブー視してはならない」…政府要人が本音で語る「日米"核"軍事一体化」の真実に驚愕!」では、米国の核ミサイルを自衛隊が発射する可能性について、解説します。

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