まるで人間…猫写真家が見た「すれ違いざまに挨拶を交わすネコたち」
「今まで見たことない」「見ていて笑っちゃう」――あの糸井重里さんや黒柳徹子さん、藤あや子さんらも絶賛のベストセラー猫写真集『必死すぎるネコ』シリーズをはじめ、コミカルで愛おしい猫たちの決定的瞬間を収めた猫写真集を多く世に出し、話題を集めている猫写真家・沖昌之さん。
「カメラを持った人間がウロウロしているなんて、猫にとっては不自然極まりないこと」。怖がらせたり不安な気持ちにさせないようにと“猫中心”の配慮を欠かさない沖さんだからこそ、その撮影された写真には、厳しい環境下で暮らしていることから警戒心の強い外猫たちのイメージが大きく覆されるような、躍動感やユーモア溢れる生き生きとした猫たちの姿が映っています。
そんな沖さんが、2024年10月10日よりキヤノンオープンギャラリー1（品川）で【沖昌之写真展「ネコなんです。」】を開催することに！ FRaU webでは、写真展で泣く泣く公開しないこととなったカットの中から、経緯深い猫たちの写真とそのエピソードを伺いました。
第3回目は、すれ違ったら挨拶、は猫の世界でも同じ!? まるで人間のような姿を見せてくれた2匹の猫ちゃんとのお話をお届けします。
「ごきげんよう」挨拶マナーを欠かさない木登りネコ
「やあ、どうもこんにちは！」「本日はどちらまで？」
こちらは「湯島」という熊本県にある有名な猫島で午前10時ごろに撮影した一枚。おそらく血が繋がっているきょうだいなのかな？ まだ1歳にもなってない、産まれて半年くらいの子たちでした。
ちょうど遊び盛りだったようで、港のあたりで走りまわったり、戦ってみたり、転がっている釣りの道具みたいな物で遊んでみたり、陸上にずっと停め置かれている船の上に乗ってみたり……。ずっと僕の周りで、2匹一緒にぴょんぴょん跳ねてはじゃれあって過ごしていたんです。
それを僕はぼーっと見ながら撮影していたのですが、そのうち1匹が木の上の方までブワーッと走って登っていって、それをもう1匹の子が追いかけて行きました。
だいたい同じような枝の高さの場所でじゃれあおうとしているそんな2匹の様子が、僕には、手を挙げて「やあ！」と挨拶を交わしているように見えたんです。
よく僕たち人間の世界でも、山登りとかをする際に「人とすれ違うときには挨拶をしましょう」というようなルールがあったりしますよね。この2匹の猫たちが、そんな私たち人間の姿と重なって見えた瞬間でした（笑）。
