退団会見でポーズをとる礼真琴(撮影・石井愛子)

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来年8月10日付での退団を発表した星組トップ礼真琴が24日、大阪市内で退団会見を開き、コロナ禍も明けて、ファンとのふれあいが戻る中で、劇団110周年を機に卒業する決意を固めた思いを明かした。

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−昨年、休養期間を約2カ月設けた

礼 1度、舞台からは離れた上で、宝塚という舞台で、今、どれだけありがたい状況をいただいているのか、そして、どれだけ心強い頼もしい仲間たちと舞台に立っていたのか、改めて感じました。みんながびっくりするぐらいパワーアップして戻らなければという思いで、はい。

−下級生時代から注目され、期待の高さをどう受け止めたか

礼 歌もダンスも大好きだという思いがあっても、上級生の中に混ざると、1人足を引っ張ってしまっている。そう思い、下級生時代を。がむしゃらに。皆さまから期待をいただいた分、お返ししなければという気持ちも。実力も経験も伴ってない中で、もう猪突(ちょとつ)猛進に走ってきた。昔の自分に「そんなにやけになって、やらなくていいよ」と言いたい。

−下級生時代、思い出すことは

礼 再演で宝塚大劇場では初演となった「ロミオとジュリエット」(13年)に、5年目で(主要キャストの)ヘンヴォーリオという役に挑戦させていただいた時、手も足も出ない状況になり、小池(秀一郎)先生を悩ませ、主演の柚希(礼音、当時星組トップ)にもご迷惑をおかけしたんですけれども、公演を重ねていくことで最後、自分なりにもふに落ちて「これだ」っていう思いに出合えた時に、再び、歌と踊り、舞台で演じることが楽しいと思えるようになりました。

−礼さんを目標にする後輩は多い

礼 世界中どこを探してもない唯一無二の場所。青春の全てをかけてきました。大好きだった星組に配属され、無心に走ってきた。まさに青春そのもの。(仲間に)少しでも多くのことを伝えていけたらいいなと思いますし、最後の最後まで、この背中を追い続けたいと思ってくれるような存在でいられるように。

−ファンの皆へ

礼 どんな時も、何があっても見捨てず、私を信じてついてきてくれたファンの皆さまには、感謝しかありません。本当に、おいしい物を食べに連れて行ってあげたいぐらいです。最後の最後まで私らしく体力と筋肉を使って、すべてを注いでまいります。

−礼さん自身が背を追った柚希(礼音、元星組トップ)と同じ、日本武道館公演が控えている。思いは

礼 卒業前には、コンサートという形で−と夢はありましたが、まさか私も日本武道館でコンサートをさせていただけるとは…。11年前に柚希さんが、そして宝塚では初めて真矢みき(当時、現ミキ)さんが立たれた同じ舞台に−。身の引き締まる思いですが、ありったけの愛とありったけの感動をお届けできるように! とんでもないことを仕込んでいきたいと思います!

−柚希さんには報告を?

礼 はい、この武道館公演が発表になる時に、同時に「この次で卒業する」ということもお伝えさせていただきました。ちえさん(柚希)も、出会った時と変わらない愛で包んでくれました。