アストラゼネカ新抗がん剤、乳がん後期試験で全生存期間改善示せず

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[23日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカは23日、第一三共と共同開発したプレシジョン(高精度)治療薬「ダトポタマブ・デルクステカン(Dato−DXd)」について、後期臨床試験で特定タイプの乳がん患者の全生存期間(OS)を有意に改善しなかったと発表した。

第3相試験でDato−DXdは化学療法と比較して統計的有意性を達成できなかった。

アストラゼネカは今月、主要な肺がんの臨床試験でも期待した結果が得られなかったことを明らかにしていた。

Dato−DXdはがん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれる薬剤の一種。

同薬は以前、後期試験で患者の無増悪生存期間を改善する主要目標を達成していた。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発部門のエグゼクティブバイスプレジデント、スーザン・ガルブレイス氏は「規制当局との協議を継続し、この結果から得られた知見を乳がん向けのDato−DXd臨床開発プログラムに生かす」と語った。