成長を遂げているトウシンマカオ

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◆第58回スプリンターズS・G1(9月29日、中山競馬場・芝1200メートル)=9月23日、美浦トレセン

 秋G1シリーズが、第58回スプリンターズS(29日、中山)で開幕する。トウシンマカオと挑む菅原明良騎手(23)=美浦・高木厩舎=は、春ラストの宝塚記念(ブローザホーン)に続く“G1連勝”に意欲十分だ。

 勢いに乗ってG1制覇へ十分な手応えをつかんでいる。トウシンマカオとのコンビで今秋最初のG1へ挑む菅原明は、春の宝塚記念(ブローザホーン)に続く“連勝”へ闘志を燃やす。重賞4勝目となった前走のセントウルSで引き出せたパフォーマンスは想像以上だった。

 「1週前、当週と調教に乗せてもらっていて、まだ少し重たさを感じていました。前哨戦でしたし、左回りもあまり得意ではないというのもあった。正直、勝てるかどうかは分かりませんでしたが、やっぱりいい脚を使ってくれましたね」

 今春の高松宮記念(6着)、京王杯スプリングC(6着)と結果が出ていなかったなかで、3歳1月のクロッカスS以来となる左回りコースでのVは価値があった。左回りでは外に張る面などが課題となっていたが、外の17番枠から中団で脚をためて、2着のママコチャに半馬身差をつけて豪快に差し切った。

 「外枠だったのも、すごくよかった。だいぶ3、4コーナーの馬場が悪くて、(内から)3頭目まではそこそこ脚を取られながら走っていたように見えて、僕だけ(さらに外で)きれいなところを走れていた。一歩一歩の完歩が大きく、あまり器用な馬ではないので、気分良く走れたのもよかったと思います」

 初コンビを組んだのは勝った昨秋の京阪杯。その当時と比べて確かな成長を感じている。

 「どっしりしてきたな、という感じはすごくあります。ちょっと幅が出たなと。筋肉質になって、スプリンターらしい体つきにというか」

 G1ジョッキーの仲間入りを果たして、競馬に向き合う気持ちにも変化が出てきたという。生まれ育った実家の近くにある中山競馬場で行われるG1への思い入れは強い。

 「宝塚記念を勝たせてもらって、だいぶ気持ちに余裕を持って臨めるようになりました。余裕というか、自信がついた部分はあるので。中山は物心がつく前から(家族に)連れて行ってもらっていた競馬場なので、そこで勝てたらうれしいですね。またチャンスのある馬でG1に乗せてもらえることになって、感謝の気持ちしかないですし、結果で恩返ししたい気持ちが強いですね」

 自信をつけてレベルアップし続ける人馬。胸に秘める思いは一つだ。

(坂本 達洋)

 ◆菅原 明良(すがわら・あきら)2001年3月12日、千葉県生まれ。19年3月に美浦・高木登厩舎からデビューして、21年の東京新聞杯(カラテ)で重賞初制覇。今春の宝塚記念でG1初制覇を達成。JRA通算4203戦326勝(うちG11勝を含む重賞11勝)。162.6センチ、45.4キロ。血液型O。同期は美浦の大塚、小林凌と、栗東の岩田望、亀田、斎藤、団野。