楽天にサヨナラ勝ちし、ガッツポーズで喜ぶ柳町(中央)(撮影・穴井友梨)

写真拡大

 ◆ソフトバンク3×―2楽天(21日、みずほペイペイドーム)

 最高の大歓声が球場を包み込んだ。1点を追う9回。2死一、二塁で代打柳町がリーグ最多セーブを挙げる則本から左越えの2点適時三塁打を放ち、劇的なサヨナラ勝ちを決めた。「(打球が)落ちた瞬間は覚えてない。頭は真っ白でした」と興奮気味に振り返った。

 ドラマは最終回に待っていた。先頭の今宮が右前打で出ると栗原が犠打。1死二塁で山川は2度目の申告敬遠で歩かされ、2死となって代打柳町の出番となった。2球で追い込まれたが、3球目を見逃し、4球目をファウル。「一球一球確認して自分の中で余裕ができた」。5球目の真っすぐをフルスイングすると、高々と上がった打球は左翼の頭を越えた。

 今季は5月末に1軍に昇格すると、オフシーズンに磨いた長打力を発揮し、自己最多の4本塁打を記録する。試合を重ねて身に付けた勝負強さも発揮し、自身2度目のサヨナラ打を放った。勝利が決まると力強いガッツポーズを見せた小久保監督も「今年一番といってもいいぐらいのゲームだった」とうなずいた。

 22日はデーゲームの試合後に大阪へ移動する。ナイターを戦う日本ハムが敗れれば、移動中に優勝が決まるという異例の展開となる可能性もある。優勝へのマジックナンバーは2となったが、小久保監督は「王手じゃないよ」と気を引き締めた。最後まで、自分たちで勝ちを積み上げて頂点を狙う。(大橋昂平)