40歳を超えても正GKの座を確保していた南氏。写真:滝川敏之

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 昨季限りで現役を引退した南雄太氏が、6月28日に公開された鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルの最新コンテンツに出演。ベテランになってから意識していたモットーについて明かした。
【動画】南雄太が30歳以降の現役生活を振り返る
 南氏は静岡学園高を卒業後の1998年に、柏レイソルでプロキャリアをスタート。その後、2010年にロアッソ熊本、14年に横浜FC、21年途中に大宮アルディージャに移籍し、44歳まで現役を続けた。J1の266試合とJ2の399試合を合わせた665試合は、GKの最多出場記録だ。

 そんなレジェンドGKは、鈴木氏から30代後半の頃にどのようなモチベーションを持っていたのかと尋ねられると、「若手には負けないと思っていましたよ」と回答する。

「自分のなかでは、ピッチに立つのが1番の価値だと思っていたし、それができなくなったら辞めようというのは、横浜FCの途中ぐらいから、自分のなかでうっすら決めていたんですよ。ピッチに出て、試合に出て、何をチームにできるか。それが価値だと思っていたので、若手に負けないのも、もちろんそうなんだけど、練習を休まないことと、怪我しても少々の怪我なら絶対にやるというのは、めちゃくちゃこだわっていました。そのために、ケアや準備には、ものすごい時間かけてやっていました」
 
 コンディション作りにこだわっていた理由については、「少しのチャンスも与えない、一言で言うと。ちょっとでも隙を与えて、じゃあ練習を1日休みました。『南、今週ちょっとコンディション、もし良くないんだったら、若手を使ってみようか、1試合だけ』とか、それを与えちゃうと、そこで(若手選手が)良いプレーしたら絶対使うので。それはもう自然の流れというか、仕方ないじゃないですか」とコメント。10代から出場機会を得てきた自身の経験も重ね、こう続けた。

「クラブとして若手を使いたいのはもちろんだし、それは自分が若い時、ものすごく感じたし、クラブとかいろんな人が後押ししてくれる。でもベテランになればなるほど、向かい風しかないので。追い風は一切吹かないから。向かい風に自分で立ち向かってくしかないなかで、練習のなかのミス1つにしても、やるとそれが自分を外す理由になっちゃうから、そこはすごくこだわってやっていましたね」

 Jリーグ史に輝く金字塔の裏には、妥協を許さない自分への厳しさがあったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部