ソフトバンク「LINEMO」の新料金プラン「LINEMOベストプラン」と「LINEMOベストプランV」。これまでの料金プランとどのような点が変化しており、どういった人におすすめのプランとなるでしょうか。

写真拡大 (全7枚)

ソフトバンクのオンライン専用プラン「LINEMO」は、店頭でのサポートをカットすることでお得な料金を実現しているだけでなく、メッセンジャーアプリ「LINE」とのさまざまな連携がなされている点が大きな特徴です。

そのLINEMOが2024年6月6日、新料金プラン「LINEMOベストプラン」と「LINEMOベストプランV」という2つのプランを発表しました。

これらは現行の料金プラン「ミニプラン」「スマホプラン」の後継となるプランで、2024年7月下旬以降に従来プランと入れ替わる形で提供される予定です。


【画像】通信量に応じて料金が変化する、ドコモの「eximo」

LINEMOベストプラン・LINEMOベストプランVの特徴

ではLINEMOの新プランは、従来プランと比べてどのような違いがあるのでしょうか。

▼データ通信量に応じて2段階に料金が変化最も大きな特徴となるのは、毎月のデータ通信量に応じて料金が変化する、段階制の仕組みを採用したことです。

LINEMOベストプランは月当たりの通信量が3GBまでであれば月額料金990円と、従来のミニプランと変わらない内容となっています。

ところが3GBを超えた場合、ミニプランでは料金は990円のまま、通信速度が300kbpsに落ちるのに対し、LINEMOベストプランでは10GBまで高速通信が可能になる代わりに、料金は2090円にアップする仕組みとなっています(いずれも税込。以下同)。

LINEMOベストプランVも同様に、通信量が20GBまでの場合は月額2970円なのですが、それを超えた場合、30GBまで高速通信が可能になる代わりに、料金は3960円にアップする仕組みとなっています。

最近は動画視聴などでスマホのデータ通信量が増える傾向にあります。いつもよりデータ通信を使い過ぎた場合でも、ギガを追加する手間なく大容量通信を利用し続けられることがメリットといえるでしょう。

▼LINEMOベストプランVは5分間の国内通話に標準対応実は新料金プランのうちLINEMOベストプランVは、前身のスマホプラン(通信量20GBで月額2728円)より値段が上がっています。

それは5分間の国内通話が定額で利用できるオプション「通話準定額」が、標準サービスの中に盛り込まれたため。

ソフトバンクによると、スマホプランで通話準定額を継続利用する人の割合が高いことから、標準サービスに加えるに至ったとのことです。

ちなみに通話準定額の料金は月額550円。ですのでLINEMOベストプランVの20GBまでの料金は、スマホプランに通話準定額を加えた3278円よりも安くなっていると見ることもできます。


▼スマホプランのLINEスタンプ使い放題は承継されずただ一方で、LINEMOベストプランVは、従来のスマホプランで提供されていた「LINEスタンプ プレミアム for LINEMO」の提供がなくなっています。

そのためLINEMOベストプランVでLINEのスタンプ使い放題を利用するには、別途料金を支払って契約する必要があり、そちらを重視する人は損をすると感じてしまうかもしれません。


▼契約に条件はないが解約などに一部制限ありLINEMOベストプラン・LINEMOベストプランVは従来プランと同様、契約に関する制約は基本的にありません。別途割引メニューを適用するなどの複雑な手続きの必要もなく、先に示した料金での利用が可能です。

ただし、悪質な利用を防ぐための制限がいくつか設けられました。

1つは解約に関する制限です。LINEMOベストプラン・LINEMOベストプランVは加入当月に解約した場合、990円の契約解除料を取るようになっています(8日間キャンセルは除く)。

これは、番号ポータビリティ(MNP)で乗り換える人に向けたスマホの割引販売を目当てに、極めて短期間のうちに他社に転出してしまう行為を抑制するための措置です。

そしてもう1つ、データ通信を極端に使い過ぎる人に向けた制約も設けられています。各プランのデータ通信量の上限を超過し、LINEMOベストプランで15GB、LINEMOベストプランVで45GBを超えた場合は、通信速度が128kbpsと一層低速になります。

いずれの制限も影響する人は極めてごく少数と考えられますので、多くの人は気にする必要はないでしょう。

競合「ahamo」「Rakuten最強プラン」との違いは

これらLINEMOの新料金プランを競合他社の料金プランと比べた場合、どのような違いがあるでしょうか。

▼ahamoとの違いまずオンライン専用プランの代表格とも言えるNTTドコモの「ahamo」との違いですが、1つは「20GBより下のプランがあること」、もう1つは「段階制の料金プランを採用していること」でしょう。

ahamoの通信量は20GBで固定されていることから、毎月の通信量が変動しやすいのであれば30GBまで利用できるLINEMOベストプランVの方がメリットが大きいと言えます。

ただ一方で、ahamoには別途オプションを契約することで、月額4950円で100GBの通信量が利用できる「ahamo大盛り」が用意されていることから、最初から大容量通信を利用するならahamoの方がメリットがあります。


▼楽天モバイルとの違いオンライン専用プランではありませんが、段階制を採用したプランとしては楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」がよく知られています。

同プランは3GBまでなら月額1078円、20GBまでなら月額2178円、20GBを超える場合は月額3278円となります(各種割引メニューを適用しない場合の料金)。

これを見ると、10GBまではLINEMOベストプランの方が安く済みますが、それを超える場合はRakuten最強プランを選んだ方が有利といえます。


LINEMOの新プランはどんな人に適している?

以上の内容を踏まえて、LINEMOの新プランが適している人を考えますと、

・通信量はあまり多くないが、月によって変動が大きい
・複雑な割引メニューなどは利用せずに、安く使いたい
・ソフトバンクのネットワークやサービスに馴染んでいる

といった人になるかと思います。

ソフトバンクでは今後、LINEヤフーの有料プログラム「LYPプレミアム」をLINEMOでも提供することを検討しているようですので、今後はLINEだけでなく「Yahoo!ショッピング」や「PayPay」などとの連携強化も期待されるところです。

※記事初出時、記事タイトルに誤りがありました。お詫びして訂正いたします(6月26日10時35分:編集部追記)
誤:通信料に応じて 正:通信量に応じて
(文:佐野 正弘(携帯電話・スマートフォンガイド))