Googleが有名人やインフルエンサーをベースとしたAIチャットボットを開発していると、The Informationが報じました。同様のキャラクターベースのチャットボットがMetaなどの競合他社からリリースされていますが、それほど普及していないため「なぜGoogleがこの分野に進出しようとしているのかは不明」という声もあります。





Google is reportedly building AI chatbots based on celebrities and influencers

https://www.engadget.com/google-is-reportedly-building-ai-chatbots-based-on-celebrities-and-influencers-235731655.html

Report: Google working on character chatbots

https://9to5google.com/2024/06/24/google-character-chatbots/

報道によると、Googleは同社が開発するチャットボットのGeminiをベースに、有名人やインフルエンサーのように会話するチャットボットを開発しているそうです。Googleは最終的にYouTubeにキャラクターベースのチャットボットを統合することを計画していると、The Informationは報じています。

Googleの開発するキャラクターベースのチャットボットはGeminiをベースとしているものの、Geminiを特定のニーズに合わせてカスタマイズするGemsとは異なるものだそうです。

「有名人のように話すチャットボット」というアイデアは新しいものではなく、すでにAIスタートアップのCharacter.AIがキャラクターベースのチャットボットを提供しています。

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さらに、Googleは誰でも自分の性格や外見を説明するだけで、自分だけのチャットボットを作成できる機能の開発にも取り組んでいるとのこと。なお、同様のキャラクターベースのチャットボットを開発しているCharacter.AIの共同設立者のひとりであるNoam Shazeer氏は、元Googleのエンジニアであり、生成AIの基礎技術のひとつであるTransformerを開発したひとりでもあります。

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Googleがどの有名人やインフルエンサーと提携するかは記事作成時点では不明ですが、Metaは同様のチャットボットを作成する際にTikTokerのCharli D'Amelio氏やYouTuberのMr. Beast氏、スヌープ・ドッグ氏、トム・ブレイディ氏、パリス・ヒルトン氏らと提携しています。一方で、Character.AIは政治家や哲学者、架空の人物、しゃべるチーズなどのチャットボットを作成・提供しています。

Googleによるキャラクターベースのチャットボットプロジェクトは、Google Doodlesに携わるライアン・ジャーミック氏らベテラン幹部10人によって率いられているそうです。ただし、このチャットボットは広範囲にわたって利用可能になるのではなく、同社の実験的プロダクトがまとめられているGoogle Labsでのみ利用できるようになる可能性もある模様。

なお、テクノロジーメディアのEngadgetは「Googleがなぜこのようなツールを開発しているのかは定かではありません。Metaの有名人をモデルとしたチャットボットは、同社が開発するすべてのプロダクトに搭載されているにもかかわらず、実際には普及していません」と指摘しました。