台北を一望できる天空のカフェも! 【台湾】おすすめ“コーヒーショップ”5選

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自家焙煎で個性を競う、台湾のコーヒーショップを紹介。

日本はもちろん、アジア各国で盛り上がりを見せているコーヒーカルチャー。台湾もその筆頭で、高品質なスペシャルティコーヒーの生豆を使い、自身で焙煎するロースタリーがさらに増加中だ。

なかでもバリスタ世界大会でチャンピオンに輝いたオーナーによる『Simple Kaffa』(1)は、焙煎技術も高く評価されている一軒。新店舗の『天空興波』は、「台北101」の展望台の1階下(88階)という、台湾で最も高所にある稀有なコーヒーショップ。ほかにギャラリーの一画でハンドドリップを味わえる『PHAROS COFFEE』(2)や、台北ではまだ珍しい「コース仕立てのコーヒー」を出す『noon』(3)、乾物問屋街の迪化街で歴史的物件をリノベーションし、趣ある空間ごと楽しめる『※(草かんむり+於)花』(4)や『孵珈琲洋館』(5)など、良質な豆を軸に多彩な個性で表現する店が続々と登場。台湾素材を使ったスイーツや、発想力豊かなアレンジドリンクとともに楽しんで!

1、まさに“天空”! ドラマティックな眺望で格別のコーヒーを。

天空興波 Simple Kaffa Sola(ティェンコンシンプォ)

台北を一望! 左・台湾の3種のサツマイモをペーストにした「地瓜三兄弟」240元、右・当店限定の中深煎りブレンド「天空綜合」350元。

「ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)2016」で優勝に輝いた※(呉の旧字)則霖氏が創業したロースタリーカフェ『Simple Kaffa』。2023年1月に誕生した最新店『天空興波』は、超高層タワー「台北101」の88階という圧倒的なロケーション。焙煎違いの豆だけで20種近く揃えるほか、スイーツやフロート、カクテルなどメニューが豊富で、コーヒーマニアでなくとも等しく楽しめる。ちなみに入店するには、まず「台北101」のオフィス棟1階の受付カウンターでパスを受け取り、これをゲートで表示することが必要。90分制、席により異なるミニマムチャージあり(窓際席は1卓1〜4名利用で2000元など)。

木材や大理石を多用し「天空の城」をイメージしたという空間で一気に非日常へ! テイクアウト専用のスタンディング席もあり、こちらはミニマムチャージ180元で利用可能。

アレンジドリンクも秀逸。写真はほうじ茶を隠し味にしたラテフロート「漂浮拿鐵」300元。

TEL:02・8101・0099 10:00〜20:00 無休 カード可、日本語不可。台北市信義區信義路五段7號88樓

2、アートを鑑賞しながらひと休み。ギャラリーの中の小さな専門店。

PHAROS COFFEE(ファロス コーヒー)

ブランドマネージャーのユアンさんと焙煎士のライアンさんが創業した『PHAROS COFFEE』。実は「台湾で焙煎したコーヒーを、高水準のコーヒー文化が根付く東京を拠点に発信したい」と本店は東京・神保町に構え、こちらは支店。中山エリアのアートブックショップ&ギャラリー『朋丁 pon ding』の2階にあり、ギャラリーの作品を鑑賞しながら一服できる。豆の本質を味わってほしいと、ライアンさんが手がけるのは浅煎りが中心。また「ここはいわばコーヒーのショールーム」とユアンさんが語る通り、メニューはシングルオリジンが5種(内容は季節により変動)、コールドブリュー(水出し)、ラテといたってシンプルで、価格も一律150元。中山界隈の散策の小休止に、気軽にスペシャルティコーヒーを。上・手前から、シングルオリジンのエチオピア イルガチェフェ150元、コールドブリューラテ150元、カウンター6席。

TEL:02・2537・7281 12:00〜19:00 月曜休 カード可、日本語少し。台北市中山區中山北路一段53巷6號2樓

3、ついにコーヒーのコースが台北に。最新スタイルを発信する注目店。

noon(ヌーン)

グレートーンで統一された店内に、半円を描くカウンターが設置され、そこでアーユさんとイレーンさんの若き2人が最新プロダクトを駆使して多彩なドリンクを出す。焙煎はアーユさんが担当。台湾ではまだ珍しい「コース仕立てのコーヒー」を提供し、“台北のコーヒー文化の最新形”を感じさせる存在だ。店名は、カフェの閉店時間が早い台北で「バーではなくカフェでもゆっくり夜を過ごしてほしい」という思いから。金・土曜以外は22時までの営業なので、バーのようにゆったりと、〆の一杯を嗜める。上・コースは、まず数種の中から好みの豆を選び、それを異なる3種の方法で味わう。右から、ブラック、ミルクコーヒー、豆のフレーバーをハーブなど異素材を使って再現したカクテルのような一杯。3品1000元。

パナマ ゲイシャ400元、本日のスイーツ150元。ほかにカプチーノ160元など。

TEL:02・2537・7281 11:00〜22:00(金・土曜〜19:00) 無休 予約不可。カード可、日本語不可。台北市大安區瑞安街142巷2‐1號

4、台北の喫茶文化の牽引者が開いたユニークで快適な隠れ家カフェ。

※(草かんむり+於)花《Op.118.2》(イェンファ)

かつてたった1席のカフェ、その名も『一席※(口へん+加)※(口へん+非)』など名店を複数手がけ、2000年代の台北のカフェ黎明期を牽引してきた高振御さんの新店舗。迪化街の裏路地に建つ築約60年の物件をリノベーションし、ヴィンテージ家具を配した空間づくりのセンスはさすが。焙煎はあえて自分でせず、広いネットワークを活かして『小廢墟※(口へん+加)※(口へん+非)』など信頼するロースターの豆を使う。メニューは紫蘇風味のアイスコーヒーなど個性派のアレンジドリンクが中心だが、飲めば味の着地点に納得する。レコードが流れる2階の客席はいつも満席。この心地よさ、ぜひ地元っ子と共有したい。上・喉越し爽やか、カスカラ(乾燥させたコーヒー豆の果肉と皮)のソーダ250元。生チョコレート1個150元。

深煎りアイスコーヒーに紫蘇梅酒を合わせ、グラスの縁に塩を少々。これは発明! 紫蘇梅酒冰深焙300元。塩卵入りバスクチーズケーキ180元。

TEL:02・2550・8718 13:00〜20:00 水・木曜休 カード可、日本語少し。台北市大同區迪化街一段14巷38號

5、サイホンとカスタードプリン。迪化街に馴染む古き佳き喫茶店。

孵珈琲洋館(フーカーフェイヤンハン)

ここ数年、カフェが続々と進出している迪化街エリア。「大稻※(土へん+口の下に壬)公園」にほど近いこの店もその一つで、約80年前の老建築をリノベーションし、台湾の型板ガラスや日本の古家具を配した空間は、昭和の喫茶店といった景色。店主の王震宇さんは仕事で東京に通ううち、日本の喫茶店文化に惹かれ、名店を巡って自身の出身地である大稻※(土へん+口の下に壬)に店を開いたのだとか。自家焙煎のシングルオリジンは浅煎りをメインに12種ほど揃え、ハンドドリップはサイホンも選べる。平飼い卵で作るプリンなどスイーツ類も丁寧な味わいで美味。歴史的建築が残る迪化街に、クラシカルなサイホンがよく似合う。

上・サイホンコーヒーは「NIKKO」の“ブルーウィロー”の器で。洋館深煎りブレンド200元。紅茶が香るカラメルソースの自家製プリン130元。

エチオピアのコーヒーにイチゴジャムを合わせたアレンジドリンク「草苺戀人」200元。

TEL:02・2552・9094 12:30〜19:30 無休 カード不可、日本語少し。台北市大同區歸綏街218‐1號1・2樓

※『anan』2024年6月19日号より。写真・田尻陽子 取材、文・藤森陽子 コーディネーター・片倉真理

(by anan編集部)