短編映画『銀河健康センター』坂田敦哉監督インタビュー 「好きなことをやれるオアシス的なものを目指したい」
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宇宙生物駆除を業務とする中小企業の奮闘を描いたSFムービー『宮田バスターズ(株)-大長編-』で長編映画デビューを果たした坂田敦哉監督の最新作『銀河健康センター』が各種配信サービスでスタートしています。
水の枯れた砂の惑星に建つサウナ施設「銀河健康センター」を舞台に、サウナ狂いのパロットが不時着したことから始まるサウナSFアドベンチャーは、坂田監督が脚本、編集、特殊造形も手がけています。坂田監督にお話をうかがいました。
■公式X:https://twitter.com/gangakenko37 [リンク]
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●最新作の『銀河健康センター』は、いつ頃から準備を始めたのですか?
前作『帰ってきた宮田バスターズ(株)』の上映があらかた終わった頃なので、23年の春、ちょうど一年くらい前になります、去年の3月頃に脚本を書いていたと思います。そのあとゴールデンウイークにセットを立て始め、撮影が8月と12月。一年で撮り切りました。3部作の予定です。
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●サウナのモチーフなど、どのようにして内容が決まったのでしょうか?
いつも一緒に映画を作るメンバーが、みんなサウナ好きなんです。なのでサウナ映画を撮ろうという、そういう始まりです。そもそもスタッフ間では銀河健康センターとは呼んでなくて、サウナ映画って言っていたのですが、そういう始まりでしたね。でも単純にサウナだけだと足りないので、SFにもしましょうと。それでサウナとSFをくっつけた感じです。
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●『宮田バスターズ(株)』の渡部直也さんも続投されていますね。
渡部さんもサウナが好きなんですよね(笑)。『宮田バスターズ(株)』の頃から地続きのようなお付き合いなので、今回改めてオファーさせていただきました。
●言ってみればチームの日常会話の中で次回作が決まっていく?
そうですね。基本的にはそんな感じです。映画を撮る体制をしっかり作りすぎると、小回りが効かなくなって、やれることに縛りができたりするので。ただ、作っただけではそれで終わってしまうので、どこか配信先を探そうと。『宮田バスターズ(株)』の時にお世話になった会社に企画書を見せてスタートした感じです。
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●8月と12月の撮影も夏休みと冬休みがあるから?
8月はまさにお盆でした。12月は年末年始ではなくて、三連休がどこかにあって、そこで撮影しました。というのも8月は暑すぎて撮影にならなくて。鳥取県の砂丘に行ったのですが、地獄のような暑さで、冬に改めてもう1回再撮影することになりました。だから映画の中には夏と冬の鳥取砂丘が出て来ます。
●前作は低予算手作りのDIY映画というキャッチコピーがあったかと思いますが、今回はSFだけにCGがより多そうな印象でした。
ところがCGは半分くらいなんです。『宮田バスターズ(株)』の時はDIY映画と宣伝していてそれが強みでしたが、実はCGと合成の割合は変わっていなくて。前回も半々くらいなんですよ。世界観が今回は完全に宇宙の話になっているので、そう見えているのかも知れません。
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●この独自の映画の作り方には、どのようなメリットがありますか?
一緒に作るメンバーはみんな、普段はそれぞれの場所で働いているので、あんまり体制にしてしまうと、どんどん仕事っぽくなってしまう。今の体制のほうがルールに縛られ過ぎない環境だと思うので。好きなことをやれるオアシス的なものを目指したいですね。
●映画作りそのものを純粋に楽しみたい?
そうですね。でもこれももちろん商業作品であり、最終的にどうなりたいかという話にもなってくるんですよね。仮に大きな作品のオファーが来たら、ちゃんとした体制にもなるでしょうけれど、今の20代の若手のうちにできることを考え、自分は何をすべきか考えた時に、こうしてコンパクトにものを発信し続けたほうがいいと思うんです。今自分が一番やりやすい方法で、自分の色が出やすい環境で作品を出し続けること、それがベストだと思っているんです。
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●結果、『宮田バスターズ(株)』も受け入れられましたよね。
そうですね。なので自分の作やり方を貫いていきたいです。ちゃんとしたメッセージ性を監督が言えなくても(笑)。ビジュアル面をどうやって作ったとかはいくらでも話せるのですが、作品の意義となると、自分たちの将来の話しみたいなことにもなってくる。ただ、聞かれた時に困るので、後付けでいろいろ考えてはいますが(笑)。
●今後も期待しています。最後にファンの方へメッセージを!
裏話みたいなところで言うと、ロウリュくんはタンクくんの遺志を引き継いでいるんです。ロウリュくんのパーツにはタンクくんのパーツが埋め込まれているので、生まれ変わった姿をぜひ観てください。
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■ストーリー
荒廃した砂の惑星に寂しく佇むサウナ施設「銀河健康センター」。水風呂の枯れたサウナにお客はこない。看板娘“トト”は文字通り看板を磨くだけの退屈な日々を過ごしていた。そんなある日、大量の水を積んだ宇宙船が不時着して…。「ととのい」求めて三光年、壮大な“星おこし”が今、始まる。
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(執筆者: ときたたかし)