【豊 璋】北朝鮮の「汚物風船」騒動のウラで、いま韓国・文在寅の「北朝鮮擁護」が”大注目”されるワケ

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韓国vs北朝鮮が「ビラ風船」を巡って対立

韓国はこれまで北朝鮮に向けて民主主義社会の説明ビラを風船で大量に送ってきた。

時には1合ほどの米と一緒にビラを飛ばし、飢饉が激しい北朝鮮国民の足しにとも送ってきた。

この活動は文在寅政権前まで韓国政府が推進して来た活動の一つだったが、文在寅政権下で完全に禁止する「対北ビラ禁止法」を制定したことは記憶に新しい。

そもそもこの禁止法は、金与正氏からビラ風船に関して「ごみどもの茶番劇をやめさせる法律でも作れ」と要求されて作ったといわれる代物だ。

禁止後も脱北して韓国民となった人物が北朝鮮に真実を知らせるためビラ風船を飛ばし続け、逮捕される騒ぎもあった。

そうした中、この5月に発売された文在寅回顧録の中で、このビラ風船に関して触れられている箇所があった。そこには「低劣な対北ビラはわれわれ自身に恥をかかせる」と綴っているのだが、これを読んで文在寅氏は「いったい、どこの国の大統領なのか」と聞きたくなったのは私だけではないだろう。

従北姿勢があからさまだった文在寅前大統領だが、いまだに“変わらない”ことを印象付けたからである。

文在寅、いまだに変わらない「知らんぷり」

そうした中、5月末には北朝鮮から「汚物風船」が飛来して大騒ぎになっている。

北朝鮮からの韓国ビラへの“反撃”だ。実際、北朝鮮の金与正氏は、韓国が散布するビラに対して「汚物量の何十倍で対応していく」とも語っているのだが、これに関して文在寅前大統領はなにも言わないでいるのだ。

文在寅前大統領はいつも北朝鮮からそっぽを向かれると、なかったことのように“見て見ぬふり”をし続けてきた。

それもまた、いまもまったく変わらないということだ。文在寅氏は、北朝鮮、中国しか見ていない大統領だったと言われるが、やはりその通りだと痛感させられる。

日本、韓国の国民に共通するのは隣国・北朝鮮というこれ以上ない反面教師がいることだろう。そういう意味では、もっと北朝鮮という反面教師について学んだほうがいいとすら思うのだが、文在寅氏のような人物がいるとそうもいかないのかもしれない。

翻弄される韓国国民

韓国では、文在寅政権が終わった後に次々と疑惑が浮き彫りになったことで、これまで左派思想者たちがどういった活動によって社会侵食、扇動を行なって来たかを理解する者たちが増えた。

また、これまで「祖国統一」「一つの民族」を大義名分に活動してきた団体はほとんどが利権、疑惑まみれだったと国民は知った。

さらに、北朝鮮が昨年末から年始にかけて韓国を「敵国」認定してきたことで、北朝鮮と韓国の本当に現実も目の当たりにしてきた。だから、これまでのように従北思想の人たちを信頼しなくなってきていることは事実だろう。

しかし、最近は物価高などの生活を直撃する経済問題が喫緊の課題であることから、そこに“人参”をぶらさげてきた野党に票を入れてしまった。思想とは関係ないが、補助金をだす政党に票を入れたのが今回の選挙結果であった。

今後、韓国では「祖国統一」「一つの民族」の嘘に騙される人は少なくなるだろう。北朝鮮の現実を知れば知るほど、さらにそうした認識は広がるはずだ。文在寅前大統領をのぞいて、は……。

さらに連載記事『文在寅「回顧録」の“驚きの中身”…! 韓国で「文在寅大復活」という“悪夢のシナリオ”が幕を開けた』では、いま韓国で起きている“もう一つの異変”についてレポートしよう。

文在寅「回顧録」の“驚きの中身”…! 韓国で「文在寅大復活」という“悪夢のシナリオ”が幕を開けた