イタリア半島『読むだけで世界地図が頭に入る本』より

写真拡大

ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。そういった中で「世界の国々をざっと理解できる」「聞いたことない国でもイメージできる」と支持されている本がある。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。
本書は世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。ここでは、本書から一部を抜粋して世界の国を紹介する。

マルタ共和国はどんな国?

 マルタ共和国はイタリアのシチリア島の南に位置し、マルタ島やゴゾ島、コミノ島など、地中海に浮かぶ島々から成る国です。

 紀元前から、フェニキア、カルタゴ、古代ローマなどによる支配や侵攻を受け、9世紀から12世紀までイスラーム帝国の支配下にありました。

 1814年イギリス領となり、1964年英連邦内の一国として独立しマルタ国となりました。その後、1974年大統領制に移行してマルタ共和国となりました。

 製造業と観光業が産業の2つの柱です。

 伝統ある造船・船舶修理や近年伸張してきた半導体・繊維産業が製造業の中心で、外貨収入の中心である観光は、貿易収支の赤字を埋めています。

 人口過剰で資源が乏しく、主要物資を輸入に依存し、海外からの投資誘致、オフショア・ビジネスの活性化に取り組んでいます。

 クロマグロ(本マグロ)の養殖がヨーロッパ随一で、世界一のマグロ消費国である日本との貿易も盛んです。マルタからの輸入品の88.1%(2020年)が地中海で養殖されたマグロです。

 1989年にマルタ島沖のクルーズ船で行われたマルタ会談では、米ソ首脳によって冷戦の終結が宣言されました。

 北アフリカなどからの難民・移民問題が懸案となっており、EU及びユーロ圏諸国との連携が外交の基本となっています。

マルタ共和国​

面積:316㎢

首都:バレッタ
人口:47万人

通貨:ユーロ
言語:マルタ語(公用語)、英語(公用語)
宗教:カトリック(国教)が90%以上

(注)CIAのThe World Factbook(2024年6月時点)、『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)