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京都・祇園の名所として知られる八坂神社で、「迷惑行為」を指摘したところ外国人の男性ガイドに罵倒されたとする動画がX上に投稿され、波紋が広がっている。

投稿によると、ガイド引率の外国人グループが国宝でもある神社本殿の「鈴の緒」の鈴を柵に叩きつけて遊んでいたため注意したという。神社ではその後、安全を考慮して、夜間は鈴の緒を鳴らせなくする措置を取ったことを公式サイトのお知らせに出した。

「大事に扱えって言ってるんだよ」と注意した女性が反論したが...

「とても失礼なやつだ」。白人男性が英語でこう女性に反発すると、女性も、「失礼なのは、お前や」と英語を交えて返す。このトラブルを撮った動画は、この女性だというXユーザーが2024年5月23日夜に投稿した。

男性は、「うるせぇ!お前。黙っとけ、お前」と日本語で罵倒し、その後も同じ罵倒を繰り返す。これに対し、女性は、「大事に扱えって言ってるんだよ」などと反論していた。

1分30秒ほどの動画では、男性と同じグループの外国人も複数映っている。このうちの1人が、「警察を呼べ」と英語で叫ぶと、女性は、「呼んでもらっていいですよ」と返した。男性は、8年間京都に住んでおり、日本人と結婚していると日本語で説明したが、女性は、「そういう問題じゃない」と主張した。

このXユーザーは、続きの動画も投稿しており、それを見ると、別の外国人が女性を擁護して、「ここは聖なる場所です」と英語で男性に説明していた。しかし、男性は、「次会ったら、警察寄こしますよ」と女性に伝え、スマホで撮っている女性に「これ消して下さい」と要求した。女性が「ツイッター上げます」と拒否すると、男性が「うるせぇ!お前。消えろ!」と叫んで去って行く様子が映っていた。

この状況について、Xユーザーは、外国人グループが鈴の緒を柵に叩き付けて遊びながら参拝していたため注意すると、観光ガイドをしている動画の男性から罵られ続けたと説明した。

夜間は鈴の緒を柱にくくり付けて対応、今回の事案との関連は否定

この投稿から2日後の5月25日、八坂神社は、「御本殿鈴の緒について」と題するお知らせを公式サイトで出した。

そこでは、「参拝者皆様の安全を考慮し、御本殿の鈴の緒を17時頃〜翌6時頃まで上げております」と告知した。そして、「その時間帯において通常のお参りはできますが、鈴を鳴らしてのお参りはできませんのでご了承の程宜しくお願い申し上げます」と呼びかけている。

神社の総務部は27日、J-CASTニュースの取材に対し、このお知らせは今回の投稿がきっかけではないとして、次のように説明した。

「ここ1、2年で、参拝者の方が強く振って、上から吊っている鈴の緒が落ちたことがありました。ケガの報告はありませんでしたが、面白半分か、鈴が鳴りにくい構造からそうした可能性があります。夜間は職員の目が届かず、何かあっても対応を取れない恐れがありますので、鈴の緒を柱にくくり付けることは前から検討していました」

動画の投稿については、「鈴の緒を振った場面が確認できず、動画のときも職員が見ていませんでした。前後関係も分かりませんので、外国人の方が一方的に悪いのかは判断できません」と説明した。

ただ、動画が投稿された23日は、Xユーザーが明かしたように、神社の夜間当直が動画の女性と見られる参拝者から話を聞いたことを認めた。

八坂神社を管轄する京都府警の東山署は27日、取材に対し、次のように話した。

「一般の人から本部に連絡があって、この案件については把握しています。管理している八坂神社から器物損壊などの被害届が出されれば捜査しますが、その相談は来ていません。動画の女性から相談があったかは、プライバシーもあるので、お話しできません」

京都市の観光MICE推進室は同日、取材に対し、こう述べた。

「動画は拝見しましたが、女性の方が注意したときの映像がなく、どういう経緯か分かりづらいので、現在は注視しているところです。市には、認定通訳ガイドの制度があり、登録者に動画の男性と似た方がいるのか確認しましたが、該当はありませんでした」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)