4回、好捕した森下(左)と笑顔でタッチを交わす西勇(撮影・立川洋一郎)

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 「広島1−2阪神」(23日、マツダスタジアム)

 セ・リーグ史上初の1万試合目を戦ったチームに通算4903勝目を届け、自身も連勝で節目星をつかんだ。阪神・西勇輝投手が6回無失点で今季2勝目を挙げ、プロ通算120勝。「まだまだ勝ちたいです。ダルさんは200勝。年齢はあんま変わらないのに、そんなに離れてすごいと思う。1個でも多く、野球選手終わったときに勝ちがついてたらいいかな」。日米200勝をマークした4歳上のダルビッシュの名前を挙げながら、積み上げてきた勝利をかみしめた。

 1点リードをもらって先発マウンドに上がると、序盤は付け入る隙を与えず3回パーフェクト。「そこはあんま意識してないです。先頭バッター初球、意識しました。そこが一番大事かなと思ってましたし」。四回に連打を浴びたが、2死一、二塁から坂倉が右翼へ放った飛球を森下がフェンス際でジャンプし好捕。すぐにはベンチへ戻らず、森下を待ってグータッチを交わして感謝を示した。

 西勇の徹底した自己管理をチームスタッフも「彼のプロ意識はすごい」と称賛する。今年1月末から睡眠データを測るため、スマートリングを着用。心拍変動などから眠りの深さを解析して睡眠の質が可視化されるが、「上質の睡眠というか、いつも比較的変わらない。お酒を飲んでないからかもしれないけど」と明かす。就寝は午後9時半、起床は午前6時。登板日にも変えることないサイクルだ。「起きて『しんどい』と思うこともない」。万全の状態で朝を迎えて、この日も責務を果たした。

 「守備がめちゃくちゃ良かったです」と好守連発にも助けられ、チームに今季最多の貯金7をもたらした。広島の虎党からの大歓声を浴び、チーム最年長右腕は誓った。「みんな実力ありますし、いいリズム、いい表情で野球ができるように頑張りたい」。プロ16年目、猛虎の団結力を誇りに突き進む。