りーしあ氏

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背筋が寒くなるような怪談や心霊映像は夏の風物詩ではないか。かつてはテレビの独壇場だったが、現在は数多くの心霊系YouTuberが存在する。その多くは男性のコンビやグループが中心だが、一方で女性一人で心霊スポットを探索するのが『Rixia・りーしあ』というチャンネルだ。
「心霊スポット巡り系女子」を標榜するりーしあ氏は、どういった意図を持って投稿を続けているのだろうか。本人を直撃した。

◆幽霊を見たことがないからこそ、確かめてみたかった

――なぜ心霊系YouTubeを始めようと思ったのですか?

りーしあ:もともと、葬儀屋の孫でもあったので「死」が身近にありました。また、伯母が霊感のある人で、新しい物件に引っ越した時も「ここの部屋は危ない」「あそこに女性が立ってる」などといった話をしてくれていたりして、幼少期から幽霊というものを近くに感じるような環境でした。

――ご自身は幽霊が見えるんですか?

りーしあ:見えません。なので、確かめてみたいという思いがあり、5年くらい前にグループで心霊系YouTubeをはじめました。ただ、メンバー同士でロケのスケジュールや目指す方向性が合わなくなってきて解散したんです。それでも、私は心霊に関わっていたいと思って、一人でチャンネルを続けることにしました。

――率直に、女性一人って危なくないですか?

りーしあ:そうですね(笑)。危険な思いをすることは珍しくありません。それに、企画も撮影も編集も全部一人。正直言って大変ですね。

――グループを解散して、別の人と組むのではなく、一人を選んだのはなぜですか?

りーしあ:グループの時は4〜5人やそれ以上で心霊スポットに行っていたんですが、視聴者さんから「そんな人数で行っても怖くない」「演者の声ばかりうるさい」という声があって、一人でやることにしました。

◆「廃校の教室」でイスがひとりでに…

――これまでに何ヶ所くらいのスポットに行きましたか?

りーしあ:グループの時期も含めると100箇所は超えていると思います。私が住んでいる関東周辺が多いんですが、東北や北海道のスポットにも行っています。

――その中でも一番怖かったのはどこですか?

りーしあ:撮影をしていて、原因のわからない音を収録することは割とあるんです。でも実際に、映像として映ったスポットがあります。関東にある某廃校なんですが、ある教室に入ると、何となく気配を感じるというレベルではなく「そばにいる」という感じがすごく強くて。いくつか生徒用の机と椅子が並んでいるんですが、私がいたすぐ横のイスがひとりでにガタガタと動いたんです……。撮影を続けたい気持ちはありつつも、どうしてもメンタルが持たなくて撮影を切り上げました。

――霊感はないとおっしゃっていましたが、“何か”を見た経験はありますか?

りーしあ:ある城跡で撮影していた時のことです。目の前の道を、今時の服を着たショートカットの若い女性が歩いてきました。暗い路地ではあったんですが、絶対に人が通らないという場所ではなかったので、地元の方かと思って撮影を止めました。すると、私のすぐ近くまで来たその女性が目の前でパッと消えたんです。

――目をそらした隙にではなくですか?

りーしあ:はい。見ている目の前で消えました。なので、人ではなかったんだということがわかって、かなり怖かったですね。

◆明らかに「人」がいた。廃ホテルでの恐怖体験

――人里離れた場所が多いと「霊以外の怖さ」もありませんか?

りーしあ:関東地方の廃ホテルで怖い思いをしたことがあります。館内のいくつかの部屋にも入ったんですが、ある一室だけ明らかに臭かったんですよ。そこには、ネズミの死骸が横たわっていて、明らかに人為的に首と胴体が切り離されてナイフが刺さっていました。ちょっと怯みましたが、何とか気持ちを落ち着かせて部屋の探索をすることに。ところが、後ろから『ガタン!』という音が聞こえて……。音の方向を照らしたら、少し空いた襖に手がかかっていて、ライトを向けた瞬間にその手が奥に引っ込んだんです。