Image: Shutterstock

電気自動車のTesla(テスラ)や民間宇宙企業のSpaceXで知られるイーロン・マスク氏が手がけるまた別の企業Nueralink(ニューラリンク)。脳内にチップを埋めこむプロジェクトを行なっており、今年頭についに初の被験者が誕生。

イーロン・マスクの脳直結コンピューター。初めて人間の脳に埋め込む

脳のインプラント手術を受けた男性は、その後順調に回復し、ゲームをする姿も公開されました。

ニューラリンクの被験者1号の男性、脳の指令だけでゲームをプレイする

てことで、2人目を募集します。

Xで募集発表

初の脳インプラント手術から約5カ月。トップであるマスク氏自ら、Xで2人目募集を呼びかけています。

「ニューラリンクが2人目の被験者を募集。これぞテレパシー人工頭脳学の脳インプラント、頭で考えるだけでスマホやパソコンを操作することができる。ノーランドの体験を見てもらうのが最もわかりやすいだろう」

マスク氏が埋め込んだニューラリンクのポストでは、1人目の被験者ノーランド・アーボーさんの動画が公開されています。

ニューラリンクはこうアピールしています。

「両手両足に麻痺があり、PC操作の新しい方法を模索したいと思うなら、我々の臨床研究にぜひご協力ください!」

初被験者の現状は?

ニューラリンクは、初被験者(=ノーランドさん)に関する研究レポートを公開。その中で、最初は(術後すぐ)は成功したものの、一部機能で不具合が出ていることがわかりました。術後にチップの電極糸が脳から引っ込んでしまい機能低下を起こしたとのことで、その様子が詳細にまとめられています。

機能が低下したときは、ショックだったというノーランドさん。Bloombergに掲載されているインタビューでこう語っています。

「聞いたときはとても辛かったです。その時点でたぶん1カ月ほどは使ったと思いますが、僕の旅も終わりが近いのかなって。

データ収集だけは継続されるのかと思っていましたが、完全に次の被験者に移るかもって聞いて、ちょっと泣いちゃいました」

2016年に事故で身体麻痺となったノーランドさんにとって、つまりそれほど脳インプラント体験は素晴らしかったということでしょう。

ちなみに機能低下問題は、ノーランドさんの脳内ではこの電極糸が、動物実験で見られた以上にずれてしまったことにある様子。ニューラリンクのチームは、ノーランドさんの神経細胞データを記録するアルゴリズムを変えることで問題に対応したとのこと。

「2人目」という魅力

何事も「初」というのは大きなインパクトがあります。ただ、その分リスクや不安は想像以上。2人目が受ける臨床研究もノーランドさんと同じだとすれば、前例があるというのは少し安心できます。

ノーランドさんは、先今後長期的に自分の生活、家族をサポートしていくための手段について、Xの投票システムを使って質問。

資金提供プラットフォームや、配信ビジネス、有料アカウントなどのアイデアを募り、自分に合ったマネタイズ方法を模索しているようです。

1つ言えるのは、初の脳インプラント被験者となったノーランドさんは、同時に世界的有名人になったということ。2人目もこの未来的技術を体験する人として脚光を浴びるのは確実で、それが応募を後押しする魅力となる可能性もあります。

ニューラリンクだけじゃない

イーロン・マスク氏のネームバリューもあって、注目されやすいニューラリンクですが、神経とコンピューターをつなごうと考える企業は他にもあります。

脳に電極挿すのがね…。共同創業者がイーロンの元を去った理由を明かす

例えばSynchron(シンクロン)。頭蓋骨に穴を開けてインプラントを行なうニューラリンクとは異なり、チップを頸静脈から入れ、血管を通って脳の表面へとチップを運び、埋め込むという手方を採っています。穴開け不要で、すでに被験者の数も10人達成。また、先月には、大規模臨床被検の準備を進めることも発表しています。

Galaxy S10e 人工知能脳チップ | コンピュータサイエンス | AI スマホケース
1,999円
Amazonで見る
PR

脳チップ埋め込みの初被験者、思い浮かべるだけでマウス操作に成功