5月5日に放送された『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)に、フリーの古舘伊知郎アナウンサーが出演。日本の報道の自由について言及するなかで、旧民主党政権時代に受けた“圧力”について明かす一幕があった。

 5月3日、 国際NGO「国境なき記者団」は、2024年の「報道の自由度ランキング」を発表。調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位(前年68位)となり、主要7カ国(G7)の中で最下位だった。

 古舘アナは日本に報道の自由があるかについて、「ない」と表明。パネルに「民主党政権時代、大臣クラスからクレームが来た」と掲げた。

 古舘アナは、2004年から2016年まで、『報道ステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスター。それの時代を振り返り、古館アナはこう語った。

「2009年に民主党が政権を取った以降の印象で言うと、けっこう大臣クラス、政治家から直で番組なりに電話がかかってきて『あのキャスター黙らせろ』とか、『すぐ謝罪しないと困る』とか言ってくる感じがあったんですよ。『ええっ?』て思ってたんですよ。

 それを自民党は3年間観察したと思いますよ。ちょっと洗練されたのは(2012年に成立した)第2次安倍政権から。ぜんぜん、直で来ないですよ。番組や僕なんかに。でも、政治部記者とかから、さざ波のように『あの人がこうで、幹事長がああで、こうみたい』って言いながら廊下ですれ違ったりしますよ」

 旧民主党政権時代の“圧力”といえば、思い出されるのが、2011年6月末、菅直人内閣で東日本大震災の復興担当大臣に就任した、故・松本龍氏だろう。

「当時の岩手県知事、宮城県知事と会談した際、『あれが欲しい、これが欲しいはだめだぞ。知恵を出したところは助けるが、出さないやつは助けない』、『漁港を集約するのは、県でコンセンサス取れよ。そうしないとわれわれは何もしない。知らんぞ』と上から目線の命令口調で発言。

 さらに宮城県知事には、『お客さんが来るときは、自分が(まず部屋に)入ってからお客さんを呼べ』などと威圧的な態度を取り批判が殺到。就任からわずか9日で辞任に追い込まれました」(政治担当記者)

 古館アナが明かした話を聞くと、旧民主党政権時代ではほかにも“圧力”をかける場面があったということだろう。

 SNSでは、安倍晋三元首相が繰り返した「悪夢のような民主党政権に戻るわけにはいかない」という主張がぶり返される事態となっている。

《さすが、悪夢の民主党政権》

《大臣クラスからクレームって、幼稚すぎるやろ》

《立民も同じ事するだろな》

 5月4、5日、JNNが実施した世論調査では、次期衆院選で、「立憲民主党などによる政権交代」をのぞむ人が前回調査から6ポイント増えて48%。「自民・公明による政権の継続」の34%を上回った。

 政権交代が現実味を帯びるなか、立憲はぶり返される「悪夢の民主党政権」という声を払拭することができるだろうか。