なづなさんと田中颯さん

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 中学時代の同級生である二人が、10年愛を実らせてのゴール。ビーチサッカーチームの「東京ヴェルディビーチサッカー」で活躍する田中颯(はやて)選手(23)が昨年12月2日に入籍した。お相手の名はなづなさん(23)。

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「あ、俺、結婚するかも」

 10年前。中1だった颯さんは隣の組に「転校生、来たらしいよ」と聞いて姿を見に行った。なづなさんだった。颯さんは「あ、俺、結婚するかも」と思った。

 中1なのに早い、というツッコミはさておき、確かにそう感じたという。

 2年生で同じ組になり、互いを気にし始めた二人。意を決した颯さんはある日、なづなさんから借りていたペンのクリップ部分に小さな紙を挟んで返した。そこに書いてあったのは……、

「大キライの反対だから付き合って、でした」

なづなさんと田中颯さん

 と、なづなさんが笑って明かす。後に入籍日となる12月2日から交際が始まったが、そこは中2のお話だ。

「どこかに出かけたこともなかったし、LINEのやり取り程度。周りにからかわれるのも嫌だった」(同)

 幼い恋はすぐに終わりを告げた。

再び交際スタート

 時は流れ、別々の高校に進学した二人。部活のサッカーが休みになる1年生の最初の中間試験期間に「テスト勉強しよう」と颯さんから久しぶりにLINE。試験勉強後もやり取りは続き、同年9月になづなさんの15歳離れた妹が誕生すると、颯さんは「会いに行きたいな」。これを機に再び交際スタート。以前とは異なり、地元で食事やカラオケを楽しんだ。颯さんはMr.Childrenの「抱きしめたい」などを歌い、なづなさんの心をとりこにした。

 高2の時の横浜デートでは大観覧車で有名な「よこはまコスモワールド」へ行き、係員から「デートですか」と聞かれ、颯さんは満面の笑みで「デートです」。なづなさんは「付き合おうと言われてなかったので、デートなんだと思うとうれしかった」と振り返る。

ビーチサッカーチーム入団を機に同居スタート

 颯さんは立正大に進学後、ヴェルディビーチサッカーに入団する。東京・立川市のタチヒビーチの練習場に通うのに実家からは120分。時間がもったいないと2021年5月に同市に引っ越し、「一緒に住んじゃおっか」と同居を始めた。

 料理は実家でほぼしていなかったなづなさんも、腕を振るうと「めちゃくちゃ上手だった」(颯さん)。好評なのは餃子で、餡にしっかり味付けして、あえてタレなしで食べる。今や定番のメニューだ。

「早く結婚」の思いに駆られ…

 昨年11月12日。颯さんは「明日、指輪を買いに行こう」と突然思い立つ。「早く結婚した方がいい」との思いが胸を占め、翌日、新宿まで出かけて指輪を購入した。「いざ手に入れるとすぐに渡したくなって」、帰りの電車で立川にあるイタリアンの個室を予約した。が、手違いで個室でない卓での食事となってプロポーズできず。ショッピングモール「グリーンスプリングス」に舞台を移し、「結婚してくれますか」と指輪を渡した。答えは「はい」。10年愛が結実した。

最初は洗濯機も回せなかった

 サッカー漬けの日々を送ってきた颯さんは家事を全くしてこなかった。なづなさんによると「最初は洗濯機も回せなかったし、食品ラップの切り方も知らなかった」。だが入籍直後、彼女が体調を崩して入院すると、颯さんはその間の家事をどうにかこなして、

「なづなの苦労が分かったし、大切さが身に染みた」

 颯さんが今目指しているのは、来年5月にセーシェル共和国で開催予定の第13回FIFAビーチサッカーワールドカップへの出場だ。

 まだ新婚旅行がおあずけの二人。だから、なづなさんは「現地に行って応援したい」。颯さんが代表入りすれば、赤道直下のインド洋に浮かぶ“地上最後の楽園”がハネムーン先になる。

 まずは代表入りへ。同級生二人の物語の第二章が始まった。

「週刊新潮」2024年4月25日号 掲載