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 EフランクフルトのMF長谷部誠(40)が17日、今季限りでの引退を表明した。尊敬する三浦知良(57=ポルトガル2部オリベイレンセ)との出会いや甘いマスクに隠された熱い人柄から、まだ無名だった藤枝東高時代まで、元サッカー担当記者がフリートークで振り返った。

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 初めて長谷部を取材したのは01年5月、高校総体静岡県大会の藤枝東―静岡学園だった。当時は高校3年の17歳。まだ心は整っていなかった。同年11月のU―18日本代表候補合宿で初めて世代別の代表候補入り。切れ味鋭いプレーでアピールしたが、ユース年代の代表には定着できなかった。「もう代表はいいです」とふてくされていたことを思い出す。それが、主将として3度もW杯に出るのだから人生は分からない。

 高校3年の夏には浦和、名古屋のJクラブに加え、明大、青学大などからも勧誘を受けていた。記者は明大サッカー部出身。「明大って、どうですか?」と聞かれ「全国の強豪から選手が集まる。プロになる選手も多い」とアピールした上で「寮は8人部屋か16人部屋」と補足した。あの会話がプロ入りを4年前倒しする一助になったのではないか、と自負している。

 浦和内定発表前に記事にさせてくれたことも、今思えば、彼の元来の律義さを象徴している。 (元静岡支局、元日本代表担当・木本 新也)