フランクフルトの元日本代表MF長谷部誠(40)が17日に記者会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。クラブが公式X(旧ツイッター/@eintracht_jp)で伝えている。

 長谷部はこのタイミングでの発表について「(現在6位につける)ブンデスリーガでのラストスパートに集中したいからです。ブンデスリーガ6位を目指します」と説明した。

 引退決断の経緯に関しては「家族などと相談して今が良い時期と総合的に判断しました。娘にはまだ言っていません。学校で話してバラしてほしくなかったからです」とし、「今年あまり出場していないのも原因です。出場していないと体に負担が大きいです」と、公式戦全体で13試合にとどまる今季出場数も理由に挙げている。

 長谷部はプロキャリアを始めた浦和レッズからボルフスブルク、ニュルンベルクと渡り歩き、2014年夏からフランクフルトに在籍。クラブ通算303試合に出場し、2017-18シーズンのDFBポカール優勝や2021-22シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)制覇に貢献した。ボルフスブルク時代の2008-09シーズンにはブンデスリーガ優勝も経験している。

 日本代表では2006年にデビューを果たし、国際Aマッチ通算114試合に出場。ワールドカップには2010年大会から3大会連続で出場し、キャプテンとして2度のベスト16進出に貢献している。

 本職のボランチだけでなく、近年はリベロとしても存在感を示していた長谷部は「私は長年、いつかその瞬間が来るに違いないと感じていました。もう5、6年もそんな状態が続いています。今が辞めるべき適切な時期だと思います」と語り、「今は思い出に浸りたくありません。シーズンが終わったら自分のキャリアについて話せます。私はまだ1つの大きな目標を達成したいと思っています。それは、最後のホームゲームの後にヨーロッパリーグの出場権を獲得し、ファンと一緒に祝うことです」とクラブへの置き土産を誓った。

 また、今後については「まだ長くドイツに残ることを想像できます」と言及。「ドイツでコーチライセンスを取得したいです」と将来的なプランを明かした。