世界の排出権売却収入、23年は過去最高740億ドル 導入広がる

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Nina Chestney

[ロンドン 10日 ロイター] - 全世界の二酸化炭素(CO2)排出権売却収入が2023年に過去最高の740億ドルに達したと、国際炭素パートナーシップ(ICAP)が年次報告書で明らかにした。地球温暖化対策として排出権取引制度(ETS)の導入が進んだ。

同収入は22年の640億ドルから増加した。

世界国内総生産(GDP)の58%を占める国・地域がETSを導入しており、整備された制度は36に上る。これに加え、アルゼンチンやブラジルなどで22の制度が開発中あるいは検討中となっている。

欧州連合(EU)と英国のそれぞれの排出権制度でCO2排出権に高い価格が付いたほか、産業界内で排出権を配分するための入札が増えたことが昨年の収入増に寄与した。

EUの排出権市場「EU─ETS」は売買量と額どちらも世界最大。同市場における昨年の収入は471億ドルとなった。