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 これからいよいよ2023/24シーズンも終盤戦へと突入する。特にバイエル・レバークーゼンでは、ブンデスリーガではバイエルンの12連覇阻止に向けて大きく前進中であり、ドイツ杯では決勝で2部16位カイザースラウテルンと対戦する。さらにヨーロッパリーグでもタイトルへの望みをつなぎ、今季公式戦はまだ無敗という勢いそのままに、まさに意気揚々として臨んでいるところだ。特に先日には去就が大いに注目されていたシャビ・アロンソ監督が来季も指揮をとることを明言したことも、大きな後押しとなることだろう。

 「ドイツ杯準決勝での勝利後も、チームは普段通りで祝杯はしたけど**、盛大ではなかったね。土曜の試合でまた良い結果を出したいから」と、振り返ったクロアチア代表DFは、「よほどのことがない限りは優勝に近づいているとはいっても、でも、一つ一つの試合に集中するのみ。多くの祝福の言葉をいただけるのは嬉しいけど、実際に実現した時に初めてそれは正当化されるものだから」と言葉を続けている。確かにレバークーゼンはこの雰囲気に呑まれることなく、傲慢という言葉からは無縁の印象を受ける。しかしスタニシッチが冷静である理由は、また別のところにある。

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アロンソ監督の下、ブンデスリーガで飛躍

 「本当に素晴らしい成長を遂げることができた」このクラブを、わずか1年で去らなくてならないのだ。昨夏にバイエルン・ミュンヘンからレンタル移籍で加入し、前半戦ではなかなか出場機会に恵まれない日々を過ごしたものの、「そこで不満を抱くことなく」今冬のアフリカ杯での選手派遣で巡ってきたチャンスを活かし、年明けからは非常に多くの出場機会を得ることに成功。そのポリバレントさを活かしてCB、3バック、さらに右SBとしてもプレーしてきた。「本当に正しいステップだったね」とスタニシッチ。「バイエルンから移籍してきた場所でブンデスのタイトルを取れるなんてね。それ以外の可能性もあるし」

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「アロンソ監督のバイエルン移籍を望んでたかも」

 そしてもう1つ、もしも前述のシャビ・アロンソ監督による残留宣言がなければ、スタニシッチはもしかすると来季、バイエルンでアロンソ監督の下で更なる飛躍の機会を手にしていたかもしれない。「アロンソ監督がこれからもレバークーゼンで指揮を執ることは、もちろん喜ばしいことだ。でもね、僕個人で言えば、少し残念なことも言えるかもね。別の結果を望んでいたかも」と24歳。「ただね、今はとにかく毎試合のことしか頭にはないんだ。それに夏になって、また何が起こるかなんて誰にもわからないものだし!」と語った。