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 2023/24シーズンのブンデスリーガの見どころは、前年度終盤から引き継いだトーマス・トゥヘル監督がいかにバイエルンを立て直すか、そして最終節の終了間際に惜しくもブンデスリーガ優勝を逃したボルシア・ドルトムントの逆襲、そして何より自国開催のユーロイヤー前ということでそれぞれのクラブに多く在籍するドイツ代表候補選手たちの更なる飛躍などに、大いに注目が集まっていた。ではブンデスリーガも残り9試合となった時点で、改めて流れを振り返ってみるとどのような姿がみえてくるだろう?

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1位レバークーゼン:勝ち点67[得失47]、ドイツ杯4強、EL16強中

 期待されていたバイエルンの12連覇阻止に向けて立ちはだかっているのは、1年半前のアロンソ監督就任時には降格争いを展開していた、バイヤー・レヴァークーゼンだ。シャカ、グリマルド、ボニフェイスら次々と補強に成功し、またアロンソ監督の目指すサッカーを自信をもって展開する赤い悪魔たちは、ここまで開幕から公式戦いまだ無敗を継続。リーグ戦では1年前の勝ち点数37[得失5]から大きく伸ばし勝ち点67[得失47]。バイエルンにすでに二桁となる勝ち点差10をつけており、さらに昨季初戦敗退したドイツ杯では唯一のブンデス勢生き残りとして4強入り。ELでも16強カラバフと生き残りをかけて戦うところ。今回ナーゲルスマン監督からはドイツ代表にヴィルツ、アンドリヒ、ターの3選手が招集された。

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2位バイエルン:勝ち点57[得失44]、ドイツ杯2回戦敗退、CL8強入り

 一方のバイエルンでは先日に公式戦3連敗という屈辱を受けて、トゥヘル監督が夏での退任を発表。ただそれ以降はチームとして盛り返しをみせており、現時点では勝ち点57[得失44]と昨季(昨季2位:勝ち点52[得失45])よりも実は良い。ドイツ杯では昨季は8強、今年は2回戦で敗れたが、CLでは昨季に続いて8強入りを果たした。ドイツ代表には今回ナーゲルスマン監督からは出場停止のサネや長期離脱明けのニャブリに加えてゴレツカも選外、それでもムシアラ、ミュラー、キミヒ、ノイアー、そしてパブロビッチが招集を受けるなど最大派閥を形成している。

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4位ドルトムント[得失19]:勝ち点47、ドイツ杯16強敗退、CL8強入り

 同じく不振が繰り返し伝えられ、最近ではテルジッチ監督への批判の声もあがっていたボルシア・ドルトムントでは、1年前に首位に立っていた頃(:勝ち点53[得失24])と比較して、勝ち点47[得失19]。確かにストップバイエルンの最有力候補としては物足りない感はあり、ドイツ杯では既に16強で姿を消しているが、ただCLでは昨季の16強を上回る8強入りを達成。あとはリーグ戦でのCL出場権獲得を果たせれば、前日ヴァツケCEOが強調していたように悪くないシーズンとして振り返られるだろう。ただドイツ代表メンバーでみれば苦境は如実に現れており、ロイス、ブラント、アデイェミ、シュロッターベック、ズーレ、ヴォルフ、フンメルス、ジャン、ヌメチャといった候補たちは全て選外。招集されたのは開幕時にはまだブレーメンに在籍していたフュルクルクのみだ。

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3位シュツットガルト[得失26]:勝ち点53、ドイツ杯8強敗退

 逆に大いにドイツ代表への勢力図を伸ばしているのが、昨季は入れ替え園の末に残留を果たしたVfBシュツットガルトである。バイエルンのトゥヘル監督と同様に昨季終盤に就任したへーネス監督は、トゥヘル監督とは対照的にレバークーゼンのアロンソ監督と同様、2シーズン目からチームを大いに飛躍させることに成功。今季はここまで勝ち点53を確保して[得失26]3位につけており、来季のCL出場も夢ではない。またドイツ代表ではフューリヒをはじめ、今季得点を量産中のウンダフも選出。そのほかフューリヒと強力な左サイドを形成するミッテルシュテート、守備を要としてもチームを支える主将アントンなど、これら4選手たちもまた欧州の舞台にむけてドイツ代表へと飛躍を遂げた。
 

上位4クラブのちょうど1年前(ブンデス第25節)時点での、勝ち点数と順位、最終的な大会結果の比較

1位レバークーゼン:勝ち点67[得失47]、ドイツ杯4強、EL16強中
(昨季6位:勝ち点37[得失5]、ドイツ杯初戦敗退、EL4強)

2位バイエルン:勝ち点57[得失44]、ドイツ杯2回戦敗退、CL8強入り
(昨季2位:勝ち点52[得失45]、ドイツ杯8強敗退、CL8強敗退)

3位シュツットガルト[得失26]:勝ち点53、ドイツ杯8強敗退
(昨季18位:勝ち点20[得失−13]、ドイツ杯4強敗退、入替戦勝利)

4位ドルトムント[得失19]:勝ち点47、ドイツ杯16強敗退、CL8強入り
(昨季1位:勝ち点53[得失24]、ドイツ杯8強敗退、CL16強敗退)