「私も初めて聞いた話で…」乃木坂46・川 桜を笑顔にさせた“奇跡の偶然”
グループ加入から約2年、いまや欠かせない存在となった乃木坂46の5期生。川粼 桜さんは、まさにそのひとり。
神奈川県出身で“横浜は思い出深い街”という彼女。運命のような偶然に導かれて行われた撮影の舞台は、横浜を代表するクラシックホテル。
終始、彼女を笑顔にさせた“奇跡の偶然”とは?
「20年以上前、両親がここで結婚式を挙げたと聞いて、不思議な気分」
ホテルのシンボル、本館の大階段に佇む川粼さん。凛とした美しさがエレガントな空間と調和し、スタッフからはため息が漏れた。開業時、本館を設計したのは「銀座 和光」を設計した渡辺 仁氏。横浜市の歴史的建造物にも認定されている
「実は両親が結婚式を挙げたのが、ここのホテルなんです。今回の撮影場所を話したら、嬉しそうに話してくれて。私も初めて聞いた話で、まさかの偶然にびっくり」
驚いたのはもちろんだが、そんな奇跡のような偶然も、“必然”に思えてしまうのは、ひとえにこのホテルの歴史ゆえだろう。
食べてOKのGOが出た瞬間、まずさくらんぼに手が伸びた
1927年の開業以来、世界史に名を刻むVIPをはじめ、多くの著名人たちに愛されてきたのは、そのエレガントな空間はもちろん、ここでしか味わえない名物料理の存在があるから。
ドリア、ナポリタン、プリン・ア・ラ・モード。おなじみの“洋食”メニューは、このホテルから生まれたものだ。
ヨーロッパのリゾート地のようなエレガントな空間で歴史あるメニューを前に、やや緊張の面持ちだった川粼さんも、プリンの誘惑には抗えず……。「めっちゃ美味しい♡」と、この日最高の笑顔を見せた。
「街の空気が澄んでいて、深呼吸するだけで横浜は気持ちいいです」
「家族の誕生日は、ホテルでごはんを食べることも。非日常感があって、特別な感じがしますよね」と川粼さん。ゲストルームから広がる横浜の絶景をスマホに何枚も収めていた
「都会だけど海がすぐ近くに感じられて。ちょっと歩くだけでリフレッシュできるし、海を眺めているだけで幸せな気持ちになる。
私にとって横浜は、パワースポットなんだな、って今日改めて思いました」
昨夜は家族とともに、リラックスして過ごしたという。
川粼さんといえば、フィギュアスケートの経験者で、フジテレビ系「全日本フィギュアスケート選手権2023」ではアンバサダーを務めた。横浜は幼少期の頃からレッスンに通った思い出深い街だという。
グループの次世代を担う、5期生の川粼 桜の葛藤する思い
フィギュアスケートから離れ、新たにアイドルという道を歩み出したのは2022年2月。乃木坂46新メンバー募集オーディションに合格し、翌年には選抜メンバー入りを果たした。
5期生メンバーだけで行われた、『新参者LIVE』、写真集『あの頃、乃木坂にいた』の発売など、“新生・乃木坂46”を託された彼女たちの活躍ぶりは目覚ましい。
だが、本人は葛藤の只中にいる。
「この2年間、根性や努力だけではどうにもならない壁、みたいなものには、もう何度もぶつかってます。自分には向いてないんじゃないか、って思うことはすごく多くて。
自分の存在意義を常に探しながら、何度も何度も心が折れかけては、ギリギリのところで前を向く、その繰り返しな感じですね」
「神宮に立てなかったあの日、感情が爆発して号泣しました」
昨年、乃木坂46の聖地とされる神宮球場でのライブには、怪我のため立つことが叶わなかった。
その悔しさは想像以上で、スタッフ曰く「普段ほとんど涙を見せず、自分で解決できる心の強い子」という川粼さんが初めて感情を爆発させ、号泣したという。
「ステージ裏で、過呼吸になるんじゃないか、っていうくらい泣きました。
悔しさ、申し訳なさ、それと同時にメンバーのパフォーマンスに感動もしてて。全部の感情がないまぜになって、もうぐちゃぐちゃ(苦笑)」
それでも前を向く、原動力って?
「これって明確に言えるものはないんです。自分でも本当になんで辞めないんだろう?って何度も自問自答します。
でもこれまでもそうでしたけど、“あと1ヶ月だけ頑張ってみる”をずっと延長している感じなんです。頑張る、少し報われる、また頑張る。
実際、神宮のショックから立ち直る間もなく、『新参者LIVE』が始まって奮闘して。ようやくその10公演を無事終えられて初めて、自信というかちょっと報われた気持ちになれたので」
直近の目標は、3月に控える「12th YEAR BIRTHDAY LIVE」に万全の態勢で臨むこと。
「毎日セットリストが異なるので、たくさんの楽曲の振りやフォーメーションを体に叩き込む必要があって。先輩たちに比べたら、ストックが足りないので、ついていくだけで必死です」
あどけなさと可憐さの合間に、ふとのぞく意思のある眼差し。川粼 桜さんは、ただならぬ“根性の人”。インタビューを経て、それは確信に変わった。
時代がどんなに移り変わろうと、成功する人間に不可欠なその要素をきっと彼女は持っている。川粼さんの激動の日々はまだまだ続く。
■プロフィール
川粼 桜 2003年生まれ。神奈川県出身。2022年2月、乃木坂46 新メンバー募集オーディションに合格。フィギュアスケートの経験を活かし、フジテレビ系「全日本フィギュアスケート選手権2023」のスペシャルサポーターに就任するなど、多方面で活躍。乃木坂46 5期生写真集『あの頃、乃木坂にいた』が好評発売中。
■衣装
ジャケット 93,500円、トップス 27,500円、ドレス 44,000円〈すべてラインヴァンド/ラインヴァンド カスタマーサポート customer@leinwande.com〉、ブーツ 48,400円〈ファビオ ルスコーニ/ファビオ ルスコーニ ルミネ有楽町店 TEL:03-6268-0538〉、バッグ 154,000円〈グローブ・トロッター/グローブ・トロッター銀座 TEL:03-6161-1897〉、イヤカフ 8,800円〈オクトinfo@0910.tokyo〉、その他スタイリスト私物
▶このほか:「芸能のお仕事をしていると…」上白石萌音が抱く危機感と、“平凡”であり続けることの意味
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東京カレンダー最新号では、川粼 桜さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、フィギュアスケートへの想いとは?
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