なぜ「猫の交通事故」が多い?「犬」よりはるかに事故に遭いやすい意外な理由とは?

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猫が交通事故に遭いやすい理由はその「生態」にあった!

 2月22日は「ニャン、ニャン、ニャン」の語呂合わせで「猫の日」とされています。
 
 猫をペットとして飼う人が増えていますが、野良猫のほか、周辺の住民などによって管理されている地域猫、放し飼いにされている猫など、道路を自由に動き回っている猫はめずらしくありません。

猫は犬より交通事故に遭いやすい

 そして、運転中に猫が飛び出してきてビックリしたという経験のある人もいるかもしれませんが、実は猫の交通事故は犬と比較しても圧倒的に多いというデータがあります。

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 いったいどのような理由があるのでしょうか。

 猫は交通事故に巻き込まれやすい動物であるとも言われています。

 環境省が発表した「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」によると、2022年4月1日から2023年3月31日までの期間で負傷によって収容された猫は9101頭で、この数字には交通事故以外の負傷も含まれているものの、犬の524頭と比較して約17.5倍と多くなっています。

 猫の交通事故が多い理由には、リードをつけて散歩をする犬と違って、猫は自由に動き回っていることが挙げられますが、他にも猫の生態が大きく関係しています。

 猫は素早く走ることができる一方で、体の構造上、後ろ歩きや後ずさりをすることが苦手。そのため、クルマが走っている道路に飛び出してきて、後戻りできずその場で硬直して立ち止まったり、そのまま対向車線まで突っ走ってしまったりすることもあるのです。

 特に、夜間にクルマのライトに驚いて、恐怖で身動きが取れなくなってしまうこともあるほか、猫は狩りをするため、獲物となる動物を追いかけてクルマの前に飛び出してくること、発情期にオス猫がメス猫を追いかけたり、オス同士のケンカで追いかけまわしたりなどの理由が考えられます。

 運転中に猫が飛び出してきた時に、急ハンドルや急ブレーキで避けようとすると、ドライバー自身だけでなく周囲の歩行者などにも危険をもたらすかもしれません。

 完全に避けることは難しいかもしれませんが、特に住宅街の路地など、野良猫の多い道路を走行する時などは、周囲に注意を払って運転すると良いでしょう。

 猫に関して注意を払うべきなのはクルマの運転中だけではありません。

 JAF(日本自動車連盟)によると「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」という内容の救援要請は、2022年1月は21件だった一方、同年6月は284件と約13.5倍にも増えたと報告されています。

 これは、猫は体が濡れることを嫌うことから、梅雨時期となる6月に多く発生すると考えられます。

 もし猫がエンジンルームに入り込んだことに気づかずエンジンをかけてしまうと、猫がエンジンベルトや冷却ファンに巻き込まれる危険があるほか、クルマ側もエンジンベルトが切れたり外れたりするトラブルに繋がる恐れがあります。

 エンジンルームの様子にドライバーが気づくのは簡単ではありませんが、これに対して日産やJAFが推進している活動が「猫バンバン」です。

 寒い時期や雨の日など、エンジンをかける前にボンネットを「バンバン」と軽く叩くことで、中にいる猫を追い出すことができます。

 バンバンと叩いた時にエンジンルームの中に気配を感じたら、ボンネットを開けて確認してみると良いでしょう。

※ ※ ※

 身近な動物である猫は、クルマとの事故やトラブルも少なくないため、猫の多い地域を走行する時には特に周囲に注意を払って運転することが大切です。

 もし猫と事故を起こしてしまったら、救護義務は発生しないものの、そのまま放置せず飼い主を探したり、けがの程度によっては動物病院に連絡するなどの救護を行いましょう。